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ファッション用語 アウター編 一覧表 [ファッション用語 アウター編]

ジャケット

腰までの短い上着の総称。携帯の種類や使われる素材、用途は多用。多くは前明きでシングルブレストかダブルブレスト、打ち合わせのないもの、プルオーバー型等がある。テーラード型とブルゾン型が代表的な形態で、中世の男性用胴衣ジャック(jacque)から派生した仏語のジャケット(jaquette)が語源
19世紀後期までは長い上着が主流で、短い上着は主に労働者向けだった。フロックコートの丈を短くしたラウンドジャケットがルーツと言われる。

A-2ジャケット

1930年代にアメリカ空軍(当時は陸軍航空隊)が採用したフライトジャケットで、「A」は夏用、「1」は最初のコードナンバー。
素材は当初、馬革が用いられたが、その後は牛革も使われている。風で衿がバタつかぬよう衿先の裏にスナップ釦が付いているのが特徴。
袖口と身頃の裾はリブ編みで、両脇にパッチ&フラップポケットが付く。

B-3ジャケット

1930年代にアメリカ空軍(当時は陸軍航空隊)に採用された冬用のフライトジャケット。
当初は羊革の一枚皮(毛付き)が使用されたが、その後は表地を牛革にして、衿とジャケット内側にボア状の毛皮が使われたのが特徴。
肘には牛革のエルボーパッチが付く。衿には2本の革ベルトがあり、衿を立てて着用する。鼻から下が覆われる機能を備えている。

CPOジャケット

CPOジャケット(シーピーオージャケット)とはアメリカ海軍下士官の制服にみられるジャケットのことで、軽いウール素材でネイビーブルーを基調としている。
シャツカラー、パッチアンドフラップポケットが特徴で、エポーレットがついている。CPOとはChief Petty Officerの略。

CWU-36P

アメリカ軍のフライトジャケットの一つで、CWは「コールドウェザー」の略。
防寒だけでなく、耐熱にも優れた「耐熱アラミド」加工を施した表地を使用しているのが特徴。ウエスト丈で、衿付きのフロントジッパー、大きな脇ポケットがある。「36P」は45Pを夏用にしたもの。外観はCWU-45Pと同じ。

CWU-45P

アメリカ軍のフライトジャケットの一つで、CWは「コールドウェザー」の略。
防寒だけではなく、耐熱にも優れた「耐熱アラミド」加工を施した表地を使用しているのが特徴。
ウエスト丈で衿付きのフロントジッパー、大きな脇ポケットがある。防寒用にキルティングのライニングを付けたもの。CWU-36Pにくらべてシルエットはゆったりとしている。

G-1ジャケット

1930年代にアメリカ海軍が採用したフライトジャケット。
当初は山羊革製だったが、牛革製に移行した。衿に付いたボアが特徴で、衿先の裏にあるタブによって、衿を立て風を防ぐことができる。
袖口と裾口がリブ編で、身頃の両脇に大きなフラップ&パッチポケットが配られ、ショルダープリーツ等のディテールがある。

G-8

アメリカ空軍のフライングジャケットで1950年代中期に着用されたモデル。
フライトジャケットとして人気のあるデザイン。

Gジャン

デニム地のジャンパー、あるいはジャケットの事。「G」はアメリカ兵の俗語「GI=government issue」の由来という説があり、第二次世界大戦後、日本に駐留していたアメリカ軍兵士が着ていたことから「Gパン」と呼ばれ、そのGパンのジャンパー。
素材はジーンズと同じブルーデニムが基本。両胸の部分にフラップポケットがあり、リベット(鋲)使いとステッチが施されたものが原型とされる。素材やディテールは多彩。

L-2ジャケット

アメリカ空軍のフライトジャケットの一つ。MA-1?の高空域飛行用に対して、これは低空域飛行用に開発された。
デザインやディテールはMA-1?と同じで、衿と袖はニットのリブ編、フロントはジッパー留めで、両脇にフラップポケット、左袖にはペン用のポケットが付く。リバーシブル仕立てが特徴で、L-2ジャケットにはドット釦で留めるエポーレットが縫い付けとなっており、全体に薄手で夏用に着ることができる。

M-65

アメリカ陸軍のフィールドコートで、そのレプリカはアーミールックの定番になっている。
カーキ色や迷彩柄を使ったパーカーのようなデザインで、エポーレットが付き、左右の胸と脇に大きなフラップポケット、衿にはフードが収納されている。

MA-1ジャケット

アメリカ空軍のフライトジャケットの一種。1940年代に開発したジェットパイロット用のジャンパー。
冷気が遮断出来る特殊なナイロン地を用い、狭いコックピットでの機能性を高めるデザインになっている。衿と袖はニットのリブ編、フロントはジッパー留めで、両脇にフラップポケット、左袖にはペン用のポケットが付く。
リバーシブル仕立てが特徴で、表地はグリーンか黒、裏地は不時着の際に救出を容易にするレスキューカラーのオレンジ。フライトジャケットを代表するデザインである。

N-2Bジャケット

アメリカ空軍の寒冷地用フライトジャケットの一種。
周囲に毛足の長い毛皮(北米産コヨーテ)を施したフードが付くのが特徴。フードは真ん中で分割され、ファスナーで開閉する。フードを被ってフロントファスナーを最上部まで引き上げると、顔を包み込んで寒さを防ぐ機能がある。
防寒のためにフロントはファスナーと釦の二重構造。MA-1ジャケットと同じように色はグリーンで袖口と裾がニットのリブ編。素材はナイロンが主体である。

N-3Bジャケット

アメリカ空軍の寒冷地用フライトジャケットの一つ。
N-2Bジャケットよりも丈が長く、ハンドウォーマーポケットが高い位置になり、開閉可能だったフードは開かず、袖口は内側にリブ編の付いた袖との二重構造になっている。

Xラインジャケット

X形にウエストを絞ったシルエットを特徴とするロング丈のジャケット。
肩幅を広めにとり、裾を広げてXラインを強調したもので、トルソージャケット、フィンガーチップジャケットに近い感覚である。
上下を共布で組み合わせたものをXラインスーツと呼ぶ。

アイクジャケット

アイクジャケット(Ike jacket)とは、アイゼンハワージャケットのことである。

アイゼンハワージャケット

第二次世界大戦時のアメリカ陸軍の制服の一種。
総司令官であったアイゼンハワー元帥にちなんで付けられた呼称。カーキ色のウール地を用い、衿はノッチドラペルで胸に大きなパッチポケットが付く。着丈は短く、裾部にウエストバンド、前明きはフライフロントが基本である。

アイビージャケット

アイビージャケット(Ivy jacket)とは、アイビールックの雰囲気をもつジャケットのことである。
ナチュラルショルダーでストレートなウエスト、シングルブレストの三つ釦で、上二つがけにして着用するのが、アイビールックの着方である。米国で1950年代に流行し、日本では60年代に入ってから流行した。

アノラック

イヌイット語の「男性用防寒着」が語源で、現在はフードの付いた防風着の総称。
登山やスキー等に用いられている伝統的なスポーツウェアーの一つ。独語のヤッケ、英語のパーカーと同義。

アマゾーヌ

ギリシャ神話上の伝統的な女武人族を指すが、現在では乗馬する女性、乗馬服を着た女性、また女性用の乗馬服を言う。
アマゾーヌは主に17~19世紀の紳士服仕立てで作られた女性用の乗馬ジャケットや、乗馬用の長いスカート等のスタイルを指すことが多い。現在のスタイルは20世紀以降のもの。

アルパインジャケット

アルパインジャケット(Alpine jacket)とは、チロル地方の登山用のジャケットのことである。
胸当てつきの革のパンツ(レダーホーゼン)に合わせる。1876年に英国で男性が着用したジャケットであり、ダブルブレストで、縦にフラップポケットがつき、後ろ中央にプリーツが入ったものである。
ノーフォークジャケットと類似している。チロリアンジャケットともいう。

イートンジャケット

イートンジャケット(Eton jacket)とは、19世紀中ごろから20世紀初めまで、英国の有名校イートンカレッジの男子生徒が着用した、ショート丈のブレザー、またはそれに似せたジャケットのことである。
腰までの長さでヘムを水平にカットした、短い前あきの上着で、幅の広い大きなラペルがつき、前の釦をかけずに着るならわしがある。
ジャケット丈はヒップの最上部ぐらいまでで、ウエストを絞ってある。イートンキャップと呼ばれる制帽、イートンカラーという広い衿付きのシャツ、衿付きベスト、黒いネクタイなどと共に着用されることが多い。

イブニングジャケット

イブニングジャケット(日<evening+jacket)とは、イブニングドレスの上に着るジャケットのことである。丈は短い場合が多い。また、男子のタキシードのことをいう場合もある。

ウインドチーター

ウインドチーター(windcheater)裾がベルト状になった、ウエスト丈のカジュアルジャケットのことである。1940年代後期から50年代初期、英国空軍が着用していた飛行用上衣から取り入れられた。

ウインドブレーカー

風を防ぐために裾や袖をカフスやゴムで締め、フードを付けたジャケットやジャンパー。スポーツ選手が防風・防寒の目的で用いることが多いが、カジュアル用にも着用される。ナイロン地が多い。

ウェスキット

ウェスキット(weskit)とは、スカートと組み合わせる婦人用ベストのこと。ウエストコート(英国でベストの意)の転化語である。

ウエスタンジャケット

アメリカのカウボーイが着用するジャケット。
ヨークや袖、裾等にフリンジ(房飾り)が付いているのが特徴。

ウエストシームジャケット

ウエストシームジャケットとはウエストラインに、はっきりとウエストシームがとられたジャケットで、背中にプリーツやパネルが付けられることもある。第一次世界大戦後のジャズエイジに流行した。
パネルは「羽目板」の意味で、本来の表生地とは違う生地を縦にはめ込む装飾的な布。中心部にはめ込んだ「センターパネル」、脇側にはめ込んだ「サイドパネル」、装飾的に別布を垂らす形となる「フローティングパネル」があり、この別布でできる切り替え線を「パネルライン」という。
このウエストシームジャケットは、ヨーク、背中のセンタープリーツ他アウトポケット、ステッチ、背バンドなどと相性が良い。

ウォーマス

ウォーマス(wamus)とは、主に米国で着用された、ざっくりした織りや編みの、ベルト付きカーディガンジャケットのことである。衿元と手首は釦留めである。

エイビエータージャケット

エイビエーターは「飛行士」の意。飛行士が着用するジャケットを指す。
革素材でウエスト丈のものが多い。フライトジャケットと同義ではあるが、エイビエータージャケットは軍服だけでなく、複葉機に代表される古い航空服を言う。現在ではライダースジャケットの一つになっている。

エジンバラジャケット

男性用の袖無し上衣。イギリスの女王、エリザベス2世の夫君エジンバラ公の狩猟服が由来。

オッドジャケット

オッドは「片方の、半端な」の意で、替え上着の総称。
上下が共布で作られるスーツが主流の時代に、パンツの無い半端な上着ということから、こう呼ばれるようになった。スポーツジャケット、スポーツコートと同義。

替え上着

替え上着とは、ズボンと対になっていない上着のこと。オッドジャケットと同義である。

カーゴジャケット

カーゴジャケットとは、カーゴ(貨物)のことを指し、もともとは貨物船の乗組員が着用していたワークジャケットのことを指す。

カジュアルジャケット

カジュアルジャケット(casual+jacket)とは、気軽に、くだけた感じで着られる上着のことである。

カーディガンジャケット

ニットカーディガンの様な衿無し上着の総称。
フロント明きはV字型だけでなく、丸型もある。

カバーオール

もともとは労働を目的にした上下一体のつなぎ服。
それが上下に分かれジャケット部分を呼ぶようになった。現在は、薄手の素材を使ったヒップ丈のカジュアルコートを指す。

カバーオールジャケット

カバーオールジャケット(coverall jacket)とは、上着とズボンが一続きになったベルト付きの仕事着のことである。オーバーオールのこと。

カバヤ

インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国で着用される軽めのブラウス風ジャケット。
白の木綿地にレース飾りや刺繍を施したものが多く、筒袖で衿無し、前明きはピン留めにして着用する。これに、サロンと呼ばれる筒型の腰衣を合わせる。民族衣装としても知られ、バジュとも言う。

カメラマンジャケット

カメラマンが着用する、両胸や両脇にプリーツポケットが付いた機能的なジャケット。

カラーレスジャケット

衿の無いジャケットの総称。
ラウンドネックのものはビートルズのコスチュームとしても知られる。このタイプにはカーディガンジャケットやチロリアンジャケット等がある。

カルダンジャケット

カルダンジャケット(cardin+jacket)とは、ピエールカルダンによってデザインされた長めの丈のマンダリン風ジャケットのことをこう呼ぶ。

カルマニョール

南フランスでイタリア人労働者が着ていたジャケットを、1789年のフランス革命でサンキュロット(革命党員)たちが着用し、流行した。
イタリア北西部のピエモンテ地方にある町名のカルマニョーラに由来し、そこで着用されていたジャケットをこう呼ぶようになった。幅広い折り返し衿やポケット、釦等、現代の背広にあたる上着の原型とも言われる。

キャプテンジャケット

キャプテンジャケット(captain jacket)とは、ダブルブレストで四つないしは六つ釦のジャケットのことである。
一般にネイビーブルーのウール製で釦は金属製である。現在では、ヨットクラブの会員や大型クルーザーのオーナーなどが着用するが、陸海軍の指揮官、艦長などがジャケットを真似て作られたのでこの名がある。ヨッティングコートともいう。

キモノジャケット

きものの衿、打ち合わせ、袖(キモノスリーブ)などのディテールをデザインに取り入れたジャケット。

キルティングジャケット

キルティングは、二枚の布地を重ね、その間にわた等を詰めて、上はらダイヤ型にステッチ縫いした防寒用の素材。
そのキルティングを用いて作ったジャケット(ジャンパー)の事。羽毛を中綿に使ったものはダウンジャケットと言う。

グラウンドジャンバー

スポーツ選手が着る防寒用ジャンパー。
胸や背中にチーム名のロゴ等を貼ったものが多く、身頃にウールのメルトン地を使い、袖をレザーにしたツートンカラーが基本。グラジャン、スタジアムジャンパー(スタジャン)、ベースボールジャケットとも呼ばれる。

クラブジャケット

イギリスのスポーツクラブや社交クラブ等のユニフォームとして用いられるブレザー。
ヨーロッパではブレザーをこう呼ぶことが多い。胸ポケットには所属クラブのエンブレムが付けられる。また、ネイビーのブレザーの他、カラフルなチェックやストライプ等の柄を用いたものもある。

クルージングブレザー

クルージングブレザーとはヨットクルージング(ヨットで外洋を航海すること)の時着るブレザーのこと。多くは、ネイビーブルーのテリークロス(タオル地)で作られる。ヨットや船舶などのマリンスポーツや船員の衣服から街着などのカジュアル衣料として普及してものは多い。
防水加工のほどこされたフード付きのヨットパーカー(別名セーリングパーカ、デッキパーカー、ボーティングパーカ)。
また、下級船員のことをクルーといい、クルーネック(丸首)を特徴とするクルーセーター、くるぶし丈のリブ編みを特徴とするクルーソックス、クルーカットと呼ばれる髪型は作業がしやすいように短く刈り上げたもので、第二次世界大戦中アメリカ陸軍でGIカットと呼ばれたもの。

クロップドジャケット

ウエストのあたりでカットしたような短いジャケットの総称で、クロップドは「切り取られた、切り落とされた」の意。
スペンサージャケットやセーラートップ(水兵の服)等、丈の短いものを指す。クロップドトップとも言う。

ケープジャケット

ケープをジャケットの上に重ねるように付けたもの。

コートジャケット

コートとジャケットの中間アイテムで、基本的にはジャケットとして着用されることが多い。
このタイプの代表的なものに、トレンチジャケットやダッフルジャケット等がある。

コルセットトップ

コルセットをジャケットタイプにした上着。
1992年のパリコレクションでセクシールックとして登場した。コルセットジャケット、コルセットジレとも言う。

サドルジャケット

サドルジャケット(saddle jacket)とは、乗馬服のジャケットを指す。サドルは馬の鞍をさす。ライディングジャケットともいう。

サファリジャケット

サファリはスワリヒ語の「小さな旅」が「狩猟旅行」になったもので、狩猟用に着用するジャケットの総称。
シャツ衿、シャツカフスでエポーレット、ベルト付きが基本。両胸と両脇には大きなフラップポケットが付く。
素材はカーキ色の厚手綿布が使われる。サファリコート、ブッシュジャケット、ブッシュコートと同義。

サンダージャケット

サンダージャケットとは完全防水を目的としたジャンパーの1種で、ナイロンタフタで作られ、ジップフロントとなっている。衿部分に共地のフードがしこまれ、突然の雷雨などには、すぐ引き出される仕掛けがあるように、すべてが機能第一のものである。サンダーとは、「雷、雷鳴」の意。
ナイロンタフタはシルクのようなしなやかな風合いを特徴とするタフタに似せたナイロン素材で、サンダージャケットのほか、スポーツ用のウインドブレーカー、バッグなど幅広い用途に使用される。
薄手で張りがあり、高いドレープ性がある。タフタ特有の風合いを化繊であるナイロンで生成した使い勝手の良いハイテクな素材。

三面タイプジャンパー

三面タイプジャンパーとは衿、袖口、裾の3ヶ所をニット使いにしたジャンパーのこと。 オーソドックスなジャンパーデザインで、はやりすたりがない
身頃や袖に使われる生地とは異なるニットなどの異素材をつかうことでアクセントにもなり、またその色使いでも特徴を出すことができる。
衿をニットとすることで、首まわりも暖かく、袖口や裾のニットはゴム入りのものも多く、寒さを服内に入れない防寒対策にもなる。ファッション性と機能性の両方を兼ね備えているため、使い勝手も良く多くの人に長く愛用されている。
スポーツ選手やその観戦者が防寒用に着るスタジアムジャンパーにも、衿、袖口、裾をニットにしたものが見られる。また、これら3箇所のほか縁取りを飾るファッションアイテムは多い。

シェルジャケット

夏季の準夜会服。白いメスジャケットが貝(シェル)を思わせることから付いた呼称。
ウエスト丈でピークドラペルが基本。色は白無地に限られる。

ジップアップジャケット

前明きをジッパー(ファスナー)で留めるジャケットの総称。
ジャンパーやパーカー等が多いが、テーラードジャケット等にも用いられる。ジップジャケットとも呼ぶ。

シャツジャケット

シャツ衿、シャツ袖、カフス、前明き等、シャツの基本となるスタイルを備えたジャケットと、シャツ地をもとにテーラード風に仕上げたものという二つのタイプがあり、一般的にはシャツ風のジャケットを言う。代表的なものに、サファリジャケットがある。

シャツジャンパー

シャツジャンパーとはシャーティングで作られるジャンパーの総称。 またシャツスタイルのジャンパーのこと。夏季用の軽快なカジュアルウェアである。
ジャンパーはジャケットに分類される衣服であることから、シャツジャケットとも同類のものであるが、ジャンパーは、一般的なジャケットと異なり、袖口、裾にリブ編が施されていることが多く、フロントには釦留めのほかジッパー閉じ、着丈はジャケットより短めでウエストから腰ぐらいまでの丈の長さになる。
フランス語でいうブルゾンはジャンパーと同義。軽い仕立てで羽織る感覚の上着は、夏のクールビズ、2011年3月の東日本大震災以降のスーパークールビズ、節電ビズなどから、夏を快適に過ごすための衣服としての需要も高まっている。

シャネルジャケット

フランスのデザイナー、ガブリエルシャネルが考案したところから、こう呼ばれるようになった。
一般的に衿無しで、比較的短めの丈、ルーズなシルエットのシンプルなカーディガン風のジャケットを言う。衿から裾につづく縁全体に施したリボンやブレード等の飾り、ファンシーヤーンで甘く織り上げたシャネルツイードが特徴。
シャネルレングスと呼ばれる膝丈のスカートを合わせたものをシャネルスーツという。正式には、シャネル社の製品でなければ、この呼称は使えない。

ジャーマンジャック

ジャーマンジャックとは北アメリカ地方でよく着られる、厚い毛布地でできたジャンパーのこと。タータンチェック柄を特徴とする。
カナダのきこりのイメージ。厚手の毛布地で作られるので防寒用に着られることが多いが、素材使いのみ変えジャーマンジャックに特徴的なタータンチェック柄のジャンパーも街着カジュアルで見る。
タータンチェック柄は、正しくはタータンプラッド。もとはスコットランドの氏族が自家独自の模様を定めて紋章としたもの。縦、横のストライプを同色・同本数とすることを規則とした、多色色使いの格子柄。

シャーリングブルゾン

シャーリングブルゾンとは裾をシャーリング(布地を間隔をおいて縫い縮めて、立体的な美しいヒダを出すこと)したブルゾンの総称。シャーリングは女性用の衣服に多く使われるが、現在、男性用にもファッショナブルなアクセントとして採り入れられることがある。
シャーリングにはその技法から3種類に分類され、用途に応じて使い分けられる。基本は、手縫いまたはミシン縫いでギャザーを作り立体的な浮き彫り風の装飾。
ミシン目の下糸を引くことでギャザーを作る「ミシンシャーリング」、ピンキングすることでギャザーをつくる「つまみシャーリング」、コードを用い、ギャザーを寄せ、蒸気をあてて固定することで立体的な装飾を出す「コーデッドシャーリング」等がある。ブルゾンの裾のほか、袖口にも見ることができる。

ジャンパー

腰までの短い丈のジャケットの総称。
語源はイギリスの軍服ジャンプ(jump)とされるが、1930年代のイギリス陸軍のバトルジャケットが形態のルーツと言われる。
前明きでジッパーや釦留め、あるいはプルオーバー型が多い。運動機能を高めるために、裾や袖口をリブ編やカフス無しなどにしたものが多い。ミリタリーウェアやスポーツウェア、ワーキングウェア等に用いられる。仏語のブルゾンと同義。

シューティングジャケット

シューティングは「射撃、銃猟」の意で、狩猟用の上着を言う。 類似品でシューティングコート、ハンティングジャケットがある。

シューティングコート

狩猟用のコート。右肩にガンパッチ(銃床を受ける補強布)が付いたデザインが代表的。
素材はツイード、コーデュロイ等が用いられる。シューティングジャケット、ハンティングジャケット等とも呼ばれる。

シュノーケルジャケット

シュノーケルは「吸・排気筒」の意で、アメリカ陸軍の寒冷地用のフライトジャケット。
極寒地で寒さから護るために、頭部のほとんどを覆う形状がシュノーケルに似ていることから、こう呼ばれるようになった。
正式にはN-3Bジャケットと言い、それを模して作られたハーフコート型の防寒用ジャケットを言う。特殊加工した丈夫なナイロンを表地に用い、毛足の長いボア付きフード、ハンドウォーマーポケット、左袖にシガレットポケット等のディテールが特徴。

ジーンジャケット

ジーンジャケットとはデニム製の軽快なジャケットの総称。 オリジナルのものはウエストレングスで両腕にパッチアンドフラップポケット、全体に独特なトリプルステッチを特徴としたリベット釦留めのものである。ファッション化の傾向から最近では各種のジャケットのデザインを取り入れたものやコートタイプもある。
いわゆる「Gジャン」のことで、英語では「デニムジャケット」のこと。ブルーデニムに、金茶のステッチが鮮やかで、ジーンズ素材のため丈夫であり、古くなってもユーズドな色落ち感を楽しめる。
近年はその種類も豊富で、ウォッシュドジーンズほか、穴あきジーンズ、クラッシュジーンズ、ダメージジーンズ、ブロークンジーンズなどわざわざ着用後感覚を作り出したものや、古着としても多く流通している。

スイングトップ

ドッグイヤーカラーと言われる衿の形状と、その衿の内側をゴム編みにしたラグランスリーブのジャンパー。
和製英語である。類似語としてバラクータ、ドリズラージャケットがある。

スカジャン

横須賀に駐屯するアメリカ兵が着用し、それが広まった派手な色柄のジャンパー
素材は光沢のある薄手のレーヨンが用いられることが多く、背中や胸に鷲や虎等の刺繍が施され、ラグランスリーブ、スタジアムジャンパーの様に身頃と袖がツートーンカラーになっている。

スカーフジャケット

スカーフをジャケットの肩や衿もと等を覆うように巻いたデザインのジャケット。
スカーフの部分はスカーフ用の生地や柄を使う場合と、身頃と共地をもちいる場合がある。1988年のコレクションでジャンポールゴルチェやダナキャランが発表して話題になった。

スキートシューティングジャケット

スキートは「クレー射撃」の意で、クレー射撃用に着られるジャケットを言う。
肩には前部にガンパッチがあり、両脇には大きめのアコーディオンパッチポケットが付く。1930年代にアメリカで着用されたもので、最初は衿無しのカーディガン型であったが、のちにはシューティングジャケットと同じテーラード型が普及した。

スタジアムジャンパー

もともとは野球選手が着るベンチ用のジャンパー。
前明きはスナップ留めで、リブ編の衿や袖口、裾等が特徴。身頃には厚手のメルトン、袖をレザー使いにしたツートーンカラーが代表的なデザイン。胸や背中にイニシャルやマークが入る場合もある。スタジャンとも呼ばれる。

スペンサージャケット

スペンサーは、18世紀末に着用された燕尾服のテールになっていないジャケット。
現在の形になったのは19世紀になってからで、イギリスのジョージスペンサー伯爵(1758~1834年)が好んで着用したことに由来する。
ウエスト丈のぴったり身体に沿ったシルエットが特徴。略式のフォーマルウェアやホテルのボーイ、ウェイターのユニフォームにも用いられる。

スポーツコート

スポーツコートとは替え上着の総称。アメリカ、イギリスにおいてはジャケットよりもこの言葉を替え上着の意味に使うことが多い。また、スポーツ専用の上着をいう場合もある。
また、替え上着全体を意味する場合でも、テーラードジャケットの中でもカジュアル、スポーティーな用途に使われることが多い気軽なイメージのアイテムをさす。袖の後ろから脇にかけて、または背中央部にとられるアクションバック(アクションプリーツ)、エルボーパッチ、背バンドなど機能的、装飾的なデザインをもつものも多い。
スポーツコートと同様にスポーツジャケットも使われるが、コートのほうがアウターウェア全てを含む言葉として広い意味を持つ。

スポーツジャケット

替え上着の総称。もとはスポーツウェアの外衣から派生したものだが、カジュアルな生地を用いたテーラードジャケット全般を指す。アメリカではこう呼ぶことが多い。スポーツコートと同義。

スモーキングジャケット

スモーキングは「喫煙」の意で、19世紀にヨーロッパにおける上流社会で、男性が食後にタバコを楽しむために着た、今日で言うガウンのような上着。
素材は、光沢があって、ソフトなベルベットやカシミア等が用いられ、幅の広いショールカラーやブレードによる縁取りを施すのが特徴。これが略式パーティー等で着用されるテーラード型の上着に発展し、ファンシータキシードに繋がった。
タキシードは米語で、英語ではディナージャケット、仏語ではスモーキングと呼ばれる。

ソフトブレザー

ソフトブレザーとは、肩パッドや裏地などを除いたブレザーや、ジャケット用の生地ではなく、シャツ用の生地を用いることで付く荒れた柔らかなブレザーのことを指す。シャツブレザーとも呼ばれることがある。

ダウンジャケット

ダウンは「鳥の胸毛、羽毛」の意で、それを詰めてジャケットにしたものを言う。
極寒地の軍服や作業服に用いられたものだが、現在では冬のカジュアルウェアとして着られることが多い。

ダムジャケット

ダムジャケットとは1940年~1950年代にかけて、若者たちに愛用された革ジャンパーの総称。ダムとはアメリカの俗語で「チンピラ」を意味する。おりからの’50年代ルックの流行で、素材も表革のほかに、サテン、メルトンなどが使われ、よそおいも新たに登場している。
フィフティーズには、クリスチャンディオールやバレンシアガに代表されるエレガントなシルエットやラインで仕立てるオートクチュール仕様のファッションスタイルと、このダムジャケット的アメリカ発のロックンロールファッションが存在する。
また、この40~50年代の革製ジャンパーには、第二次世界大戦時アメリカやイギリスの空軍爆撃機のパイロットが着用した「ボンバージャケット(ボマージャケット)」などがある。これは、表はレザー、胴裏、衿表にボアなどとしたもの。

タンカージャケット

ここで言うタンカーは「給油機」の意で、第二次世界大戦中にアメリカ空軍の給油機搭乗員が来たユニフォームがルーツ。
オリーブ色の防水性の生地を用い、衿や袖口、裾がゴム編になった腰丈のジャンパー。

チャイニーズジャケット

中国の民族服をモチーフにしたジャケット。
チャイニーズカラーと呼ばれる立ち衿と、シングルブレストなどが特徴。

チャイニーズトップ

中国の伝統的な上衣で、立ち衿(マオカラー)に広い袖、ループ留めの釦が特徴。裾の両サイドにはスリットがある。

チョージャケット

チョージャケットとは多くはデニムで作られ、裏地に毛布地やキルティングなどをつかった丈夫なショートジャケット。チョーは「はんぱ仕事、雑用」のこと。
表地に丈夫なデニムを使用し、裏地には防寒目的となる、起毛感のある毛布地やキルティングを使用して作る作業着として用いるワークジャケット?の一種。
裏地として使用するキルティングには防寒目的のほか、装飾目的のものなど種類も豊富だが、ここでは、保温・防護を主目的とし、2枚の布地の間に綿や毛の芯を挟み、ステッチで縫いとめたもの。ジャンパーやスキーウェア、布団などに多く用いられるもの。

チロリアンジャケット

オーストリアの伝統織物「ローデンクロス」という丈夫な毛織物でつくられたアルプス(チロル)の伝統的ジャケット。
衿の無い丸首型のシングルブレストで、5~6個のフロント釦を付け、衿や袖口、ポケット等の端をブレード(縁取り)で飾ったデザインが特徴。正式にはワルクヤンカーと言う。

チンプジャケット

チンプジャケットとは毛足の長いパイルで作られた、全体にもごもごした感じのショートジャケット。チンパンジーのぬいぐるみを思わせることからの名称。
チンプジャケットのもこもこした感じを印象づけるパイル織は、パイル(=ループ)となることから、このパイルを織物の表面に織り込んだ織物のこと。具体的には、ビロードやタオルのような布地表面をいい、ビロードはパイルをカットした「カットパイル」、タオルはパイルをカットせずそのまま残した「アンカットパイル」、毛足の長いものを「ハイパイル」という。
これと似たものに、「ブークレ」があり、これは細糸を糸芯とし、太糸を絡ませて作ったループ状の糸を使用して織られた織物のこと。「ブークレ」はフランス語で、「巻いた・輪になった」を意味する。

ツートーンジャンパー

ツートーンジャンパーとは、ツートーン(二色の組み合わせ)で作られたジャンパーという意味。スタジアムジャンパーなどのように、全体と袖の部分などが色違いとなっているジャンパーの総称。

ツーフェイスド

ツーフェイスドとは「表裏とも表面仕上げがなされた」の意味で、このような効果をもつ素材(リバーシブルファブリック)、また両面タイプのコート、ジャンパーなどのこと。リバーシブル、ダブルフェイスと同じ。
織物の場合には、二重織(リバーシブルファブリック)がこれで、生地の表となる部分と裏となる部分とを別の組織で織り上げる重ね織りの一種。表と裏それぞれ異なった見た目となる素材を作ることができる。二重織は英語では、ダブルクロス、ダブルウィーブと言われるもの。
リバーシブルとは直訳、「裏返しのできる」という意味になり、表でも裏返しても着用できるアイテムのことで、裏表独特の配色の具合を2度楽しむことができるというメリットがある。

ディナージャケット

ディナージャケット(dinner jacket)とはイギリスでのタキシードを指す言葉。男性用のセミフォーマルなジャケットである。タキシードはディナージャケット、スモーキングジャケットを手本にうまれたともいわれる。

テニスジャケット

テニスジャケットとは、テニス用に作られたスポーティな上着の総称。白のフランネル素材で作られるのが一般的なブレザータイプのジャケット。

デニムジャケット

デニム製ジャケットの総称。Gジャンもこう呼ばれる。

テーラードジャケット

テーラードは「注文仕立て、男仕立て」の意で、男性用の背広型上着を指す。
衿は上衿(カラー)と下衿(ラペル)の接合部に刻み(ゴージ)があって、前明きがV字型に開き、シングルとダブルの打ち合わせがある。
ロンドンのセビルロールがルーツといわれ、肩パッドや芯地を使って、しっかりと仕上げた上着を言う。ただし、最近はアンコン仕立て等ソフトな仕立てのものが増え、背広型上着を原型にしたものを総じてこう呼ぶ。

ドウボーイジャケット

ドウボーイはアメリカの俗語で「歩兵」の意。
第一次世界大戦のときにアメリカ陸軍の歩兵が着たジャケットを言う。立ち衿、肩章、両腕と両脇に付けられた大型のミリタリーポケット(フラップ&プリーツ式のパッチポケット)が特徴。

ドリズラージャケット

ドリズルは「こぬか雨、霧雨」の意で、ゴルフプレーヤーが雨よけに着用したジャンパー。
日本ではスイングトップと呼ばれるジャンパーのことで、アメリカで用いられる用語。アメリカのスポーツウェアメーカー、マクレガー社が開発した商品名である。

トルソージャケット

ヒップラインを覆うように、ボディーラインに沿った長いシルエットを特徴とするジャケット。
ロングトルソージャケットとも呼ばれる。短めの丈のタイトスカートを組み合わせて、丈にコントラストをつける着こなしが独特のスタイル。

トレンチジャック

トレンチジャックとはコートタイプのカジュアルなジャケットの一つで、トレンチコートにおけるウエストから下部分を切り離したデザインとなったショートジャケットのことを指す。

ナイロンコーティングジャンパー

ナイロンコーティングジャンパーとはナイロンタフタで作られた光沢のあるジャンパーの総称。 ウエットルックの代表選手。また、生地の表面にナイロン加工をほどこしたものも、この名で呼び、レザー製のジャンパーにかわるものとして注目されている。
極細で横畝のある薄手な平織物でしなやかな張りに特徴があるタフタに似せて作られたナイロン素材がナイロンタフタ。薄地で強い張りがあるため、ドレープ感や柔らかいヒダを作るのに適した素材。
ナイロンタフタのように加工することで、独特のぬめり感、光沢感をもつ素材をウェットクロスという。

ニットジャケット

編んでつくったジャケット。テーラードニット系とカーディガン系の2タイプのジャケットがある。

ニューポートブレザー

ニューポートはアメリカ東部のロードアイランド州の地名。ダブルブレストのブレザーで、四つ釦二つ掛けが特徴。釦の位置は正方形が基本。

ネールジャケット

ネールジャケットとはネールカラーを特徴としたジャケット。
インドで首相をつとめたパンディット・ジャワハーラル・ネールが着用していた上着に由来するジャケットでスタンドカラー(立ち衿)を特徴とするもの。
シングルブレスト、全体に細めのシルエットとなるが、その元来はインドの王侯貴族(マハラジャ)が着ていたもので、ラジャージャケットとも言われる。 ネールジャケットは1960年代に、アメリカの雑誌社に取り上げられたところから広く普及したもので、似た形のものに、マオカラージャケット、マンダリンジャケットなどがある。

ネルージャケット

ネルージャケット(Nehru jacket)とはシングルブレスト、スタンドカラーのジャケットで、インドの首相であるパンディットジャワハーラルネルーが着用した上着に由来する。マオカラージャケット、ラジャージャケットとも呼ばれる。

ノーフォークジャケット

ノーフォークはイギリス東部の地名で、そこを統治していたノーフォーク公爵に由来するといわれる。
厚手のウールを用いたスポーティーなジャケットで、両肩から背中と脇ポケットまでのボックスプリーツが伸び、ウエストに釦留めのベルトが付く。
19世紀後半に男性が着用した狩猟用上着が原型で、ニッカポッカーズがコーディネートされた。カジュアルジャケットのルーツとされる。

ハオリジャケット

日本の羽織をデザインモチーフにしたジャケット。
羽織る感覚のイージーウェアリングを代表するアイテムとされる。

パーカー

フード付き上着の総称。もとは北米イヌイットが着用していた、毛皮で作ったフード付きの防寒上着を指したが、現在はアノラックやヤッケ、フード付きスウェットシャツと同義で用いられる。

ハッキングジャケット

ハックは「貸し馬、常用馬」の意。
ライディングジャケットと同義で、やや長めの腰丈で、衿はノッチラペル、両脇には斜めになったスラントポケット、深いセンターベントが特徴。素材はツイードの格子柄が多い。

パドックモデル

パドックモデルとは1930年代に流行したジャケットのスタイル。 シングルブレスト2つ釦、下の釦位置をウエストライン上にもってきたハイツー型で全体にスリムなシルエットが特徴である。
基本はハイツー型のジャケットシルエットとなるが、ポイントとなるのは2個釦の下1個の位置。釦位置の高さは、その時の流行によって高くも低くもなる。パドックモデルでは第一釦~第二釦の釦間隔によって、Vゾーンが決まる。一般的な釦間隔は10~12cm程度。
第二釦位置、釦間隔はオーダースーツで対応することができる寸法調整の中でも、基本的な項目なので、サーティーズテイストなパドックモデル、2釦1掛スーツは比較的ハードルの低いカスタマイズと言える。

バトルジャケット

バトルは「戦闘」の意で、第二次世界大戦時にアメリカ陸軍が着用したウエスト丈が特徴で、これがジャンパーの基本になった。アイゼンハワージャケット(アイクジャケット)もこの一種。

バラクータ

イギリスのレインウェアメーカーのバラクータ社が開発したゴルフ用のジャンパー。
ドッグイヤーカラーと言われる衿の形状と、その衿の内側をゴム編にしたラグランスリーブのジャンパーを言う。
袖口と裾もゴム編で、両脇のポケットにはフラップが付く。日本ではスイングトップと呼ばれ、アメリカではドリズラージャケットと呼ばれる。

ハンティングジャケット

ハンティングは「銃猟」の意で、狩猟用の上着。
ノーフォークジャケットがその代表とされる。素材はツイードやコーデュロイ等を用い、肩の前部にレザーのガンパッチ(銃床を受ける当て布)、エルボーパッチ(肘当て)を施し、レザー釦やスロートタブ(上衿の持ち出し)等のディテールが特徴。シューティングコート、シューティングジャケットと同義。

ビアジャケット

ビアジャケットとはアイビーリーグの代表的名門校プリンストン大学の春夏用のユニフォームとして有名な、ホワイトデニムで作られたボックス型のショートジャケット。メタルボタン、パッチポケットに特徴がある。
ビアジャケットは1930年代にプリンストン大学の学生が、ビール・パーティーの際に着用したことに由来するもので、打ち合いがシングル、ストレートなボックス型のシルエットは、アイビーリーグモデル的シルエット。
白地のデニムという厚手の綾織綿織物で仕立てられる、アイビーリーグ的シルエットともつ、ショート丈のジャケット。
デニムは丈夫な素材でジーンズが代名詞のようになっているが、エプロン、各種作業服などにも使われているもの。

ピージャケット

ピージャケット(pea jacket)とはピーコートのこと。

ピンチバックコート

ピンチバックコートとはウエスト部分をより快適なフィット感とするために、背中にハーフベルトを縫いつけプリーツをたくさんとったジャケットのこと。ピンチは締め付ける、摘む」の意味である。
ピンチバックとするためには、必ずハーフベルトが必要になるということではないが、効率的にダーツ、プリーツを縫いとめ背部分を引き締めたシルエットとするためには必要なもの。
このハーフベルトは、ジャケットの脇縫いに挟み込むような形で縫い付けられる。ハンティングジャケットなどにも見ることができるが、現在のカジュアル仕様のジャケットに付けられるのは、装飾的な意味合いが強い。背バンドはジャケットと共生地で付けられる切り替えの布地。

ファイアマンジャケット

ファイアマンは「消防士」の意味で、消防士が着用する防火服を言う。
難燃加工によるシルバーコーティングを施したものが代表的。これをモデルにしたハーフコートも含まれる。

ファンシージャケット

ファンシージャケット(fancy jacket)とは男性の夜のパーティドレスのことで、装飾性が強い。
明るい色調でベルベットや別珍などでつくられる。タキシードよりは略式である。ファンシーとは「装飾的な」という意味。

ファンシータキシード

ファンシータキシード(fancy tuxedo)とは色や柄が付いた略式タキシードの総称。
タキシードと同じ作りだが、ベルベットやベルベッチン(別珍)等の華やかな生地で作られるのが特徴。タキシードとダークスーツの中間のフォーマルジャケット。

フィッシングジャケット

釣り用の上着。防水性の生地が用いられ、釣り道具を入れる為のポケットがたくさん付いているのが特徴。

フィールドジャケット

野戦用の上着のことで、防水性に優れ、濃緑色やカモフラージュプリントの布地で作られた戦闘服。もとは軍服だが、レジャーウェア用途にも広がっている。

フォーマルジャケット

フォーマルジャケットとは、正式な場で用いるためのジャケットの総称。改まった場所や場面で用いられるジャケットでディナージャケット(タキシード)がその代表格して挙げられる。

ブッシュコート

ブッシュは「茂み」の意で、カナダの森林で働く人たちが用いたショートコート。
ブッシュマンコートとも呼ぶ。ブランケットチェックという毛布のような格子柄で作られる。これとは別にサファリジャケットやブッシュジャケットの異称として用いられることもある。

ブッシュジャケット

ブッシュは「茂み」の意。サファリジャケットと同義。

フーデッドジャック

フードの付いたジャケットの総称。

フライトジャケット

「航空パイロット用のジャケット」の意。
昔の複葉機時代にあった、むき出しの操縦席につくパイロットが着用した、レザーを使ったA-2ジャケットが有名。
これとは別にジェット機用のMA-1ジャケットなど新しいタイプも含まれる。もともとは軍服として開発されたものだが、古着やレプリカなどのファンも多く、一部はカジュアルウェアとして定着したデザインも多い。ボマージャケットとも言う。

ブルゾン

ジャンパーを指す仏語。仕事着や上っ張りの「ブルーズ(blouser)」に由来する言葉。
日本ではジャンパーよりも新しい感覚で用いられることが多い。

ブレザー

「燃える」の意で、背広型のダブルブレストまたはシングルブレストのカジュアルジャケットの一つ。
濃紺のフラノ、サキソニーの生地を使ったものが代表的で、金属製(メタル)の釦、両脇のパッチポケット、左胸にエンブレム等が特徴。
語源には、イギリスのケンブリッジ大学のボート部員が着た真っ赤な上着が「炎(ブレーズ=blaze)」の様に見えたことに由来するとの説と、イギリス軍艦の下士官の制服に由来するとの説がある。

フレンチセーラージャック

フレンチセーラージャックとはフランスの水兵服にヒントを得た、カジュアルなジャケット。 多くはフィンガーチップレングス?で、コントラスティングチェストヨーク(身頃を色変わりの胸ヨーク・別生地で切り替えられている)と大きなセーラーカラーを特徴とする。
1900年ごろ英米の水兵服に登場したセーラーカラーは、後ろが四角、前はVネックとなるもので、若々しい感じのする衿型。日本では女子学生の制服に多く用いられていることで有名。
フィンガーチップレングス?はジャケットの着丈のこと。腕を自然に下ろしたときに、ジャケットの裾が指先の先端の長さとなるもので、メンズ標準では親指の先程度、一番長い中指の長さでは若干長めの着丈となる。

ページボーイジャケット

ページボーイは「給仕、召使」の意。ベルボーイジャケットと同義。

ベースボールジャケット

ベースボールジャケットとは身頃と袖の色をツートーンにして、前開きをスナップボタンにしたジャンパー。グラウンドジャンパーの名称がある。キャンパスルックの代表的なもの。またフランスではファッション的な味を加えて、ベースボールブルゾンとして人気を集めている。
いわゆるスタジアムジャンパー。スタジャンのこと。もとは競技場(スタジアム)で野球選手が防寒用に着用していたもの。衿、袖口、裾などがリブ編となっており、腰位置のポケットが斜めになっているのが特徴的。胸や背などにイニシャルやロゴ、マークなどが入ることもある。
現在では、街着としても広く着用されているが、グラウンドジャンパーという場合、野球のみでなくその使用される競技の範囲も広くなる。

ペネロープ

ニット製の袖無しのジャケット。イギリスで使われる言葉。

ぺプラムジャケット

ぺプラムは、ウエストの切り替えから下の、裾にかけて広がるフレア部分を指し、ラッフル(ひだ飾り)、フラウンス(裾ひだ飾り)等と同意。そのぺプラムが付いているジャケットを言う。

ベルテッドジャケット

ベルテッドは「ベルトを締める」の意で、ベルト付きジャケットの総称。

ベルボーイジャケット

ホテルのベルボーイが着用する上着。
丈が短く、立ち衿で、装飾的な金釦等のディテールが特徴。ページボーイジャケットとも言う。

ベンチウォーマー

ウィンタースポーツでベンチで待機する選手が防寒用に着用する上着。
メルトンなどの厚手の生地を用い、膝丈まである前明きやプルオーバー形で、フード付きが多い。

ボタンワンダブル

ボタンワンダブルとは、ダブルブレストタイプのジャケットで、前あわせに使われる釦が一つだけとなった形のジャケットを指す。30年代に流行したタイプだが、近年でも様々なジャケットに活用されている。

ボックスジャケット

箱型ジャケットの総称。
肩が張り、ウエストを絞らず、全体を直線的にしたボックスラインの上着を指す。

ボマージャケット

ボマーは「爆撃機」の意。フライトジャケットと同義。

ポルカ

女性用のニットジャケットの事で、イギリスで使われる言葉。
身体にぴったりとしているのが特徴。ポルカジャケットとも言われる。

ボレロ

ウエスト丈、あるいはそれよりも短い丈で、打ち合わせ無しの上着。
衿や袖はあるものとないものがあり、ドレスやブラウスの上に着用する。ボレロはスペインの民族舞踊が由来とされ、闘牛士が身に着ける、華やかな刺繍を施した上着や、スペインの男性が着用した短い上着のことも指す。

ボンバージャケット

ボンバージャケット(bomber jacket)とはボマージャケットのこと。

マウンテンパーカー

登山用のフード付きジャケット。
防水・防寒性の素材を用い、全体にゆったり作られている。紐で調節するドローストリングのフード、ドローストリングのウエストベルト、四つの大きなパッチ&フラップポケット、背中のバックポケット等のディテールが特徴。

マオカラージャケット

マオカラージャケット(Mao colloar jacket)とは立ち衿のジャケットのこと。マオとは中国の政治家の毛沢東のこと。

マキシジャケット

フルレングス丈の床に届くほど長いジャケット。コートドレスとも言う。

マタドールジャケット

マタドールは「闘牛士」の意で、闘牛士が着る華やかな上着を言う。メスジャケットのように着丈が短く、身体にぴったりとさせ、ビーズや刺繍などを使った装飾的なものが多い。トレアドルジャケットとも言う。

マンダリンジャケット

マンダリンは「中国清朝の上級官」の意で、彼らが着用していたようなジャケット。
立ち衿と、幅広い長袖、腰丈のストレートなラインが特徴。中国風の伝統的で豪華な刺繍を施す場合もある。

ミディジャケット

ミディは「ミドシップマン(midshipman=海軍将校候補生)」の略で、彼らが着用していたようなセーラーカラーのゆったりした上着を指す。

ミドリフジャケット

ミドリフは「横隔膜」の意で、みぞおちあたりまでの短い丈のシャツやボレロ、ジャケット等の総称。
この丈をミドリフ丈、胴の中央部分を露出させたデザインをベアミドリフと言う。

ミリタリージャケット

ミリタリージャケットとはミリタリー=「軍隊」の意味。軍服に使われるディテールデザイン、すなわちミリタリーカラー(多くは立ち衿)、エポーレット(肩章)、フラップアンドボタンダウンポケットなどを取り入れたジャケットの総称。
ミリタリーは陸海空すべての軍隊を総括する言葉で、ミリタリールックという場合、軍隊調のファッションスタイルをいう。
陸軍はアーミールック、海軍はネイビールック、空軍はエアフォースルックはそれぞれ、機能的な素材、ディテールを特徴とする軍隊で使用されるジャケットなどをモチーフとして作られたマニッシュなアイテムでコーディネートするもの。
アイクジャケット、ボマージャケット、エイビエータージャケット、ピーコート、トレンチコートなどその種類は多い。

メスジャケット

メスは「(軍隊での)会食、食事」の意。もとはイギリス海軍の晩餐服で、海軍の食堂(メスルーム)から由来している。
夏用の夜会用の略礼服の一つ。燕尾服のテールを取った様な形で、ウエスト丈、ピークドラペルかショールカラー、側章が付いた黒のパンツにカマーバンド、黒の蝶ネクタイを合わせる。

モーニングジャケット

モーニングジャケットとは、モーニングコートをモチーフとしてデザインされたジャケットのこと。なお、礼装とはされておらず、カジュアルな上着として扱われる。

ヤッケ

「ジャケット、上着」の意だが、日本ではウインドヤッケ(防風・防寒上着)として用いられ、スキー、登山、釣りなどに着用するフード付きの防寒、防風、防水用の上着を指す。アノラックやパーカーと同義。

ヨットパーカー

ヨットパーカーとはヨット等船に乗る時に着用されるフード付きのショートジャケット。
素材は防水の効果を出す為に、ナイロン等が多い。前身頃に大きなカンガルーポケットが付くのも特徴。
現在はカジュアルウェアとして着られる事が多く、トレーナーの様なカットソーを用いたものも増えている。セーリングパーカー、デッキパーカーと同義。

ライダースジャケット

オートバイ用のジャケットの意で、革製ショートジャケットを指す。
エイビエータージャケット等軍隊のジャンパーを元にしてデザインされたものが多く、裾にベルトが付き、ダブルブレストでジッパー使いが代表的。モーターサイクルジャケットと同義。

ライディングジャケット

乗馬に適するように作られた上着。 テーラードカラー、シングルブレスト、ウエストを絞ったほっそりしたライン、深いセンターベントが特徴とされるが、現在ではハイウエスト、シングルブレストの三つ釦、上半身をフィットさせ、裾に綺麗なフレアを描いたデザインが主流。
ルダンゴトやライディングコート、サドルジャケット(サドル=馬の鞍)とも呼ばれる。アマゾーヌと同義。

ライフジャケット

飛行機や船舶で用いられる救命用の上着のことで、空気を入れて用いられるベスト型のジャケット。ライフベストと同義。

ラットキャッチャー

ラットキャッチャーとは乗馬、散歩、狩猟などに用いられるジャケット、またそのジャケットに使われるズボン、シャツ、スカーフのこともいう。
ラットキャッチャーは、ねずみ捕りやねずみ男と訳されるもの。このラットは日本人が思うような、ネズミという感じよりもはもっと大型の野ねずみのようなもので、これらの野ねずみを捕獲できる程度に軽装なジャケットとその周辺アイテムのことをラットキャッチャーというらしい。
現在では、あまり使われることがないように思うが、ラットズボンなどという場合、ストレッチ製のある素材で作られたタック入り、ゆったりめのパンツをいう。

ランチジャック

ランチは「牧場」の意で、ランチコートをジャンパーにした上着。ウエスト丈で、ムートン(羊革)を用い、裏側はボアで、衿や袖口などに羊の毛皮が使われるのが特徴。ランチェロジャックと同義。ランチェロはスペイン語で「牧場」の意。

ランバージャックジャケット

ランバージャックジャケット(lumberjackjacket)とは大きな格子柄のウールでできたジャケットで、アメリカやカナダのきこりが着用した。ランバーとは材木の、ランバージャックはきこりのこと。マッキノーズに同じ。

リーファージャケット

リーファーは「帆の巻上げ担当」の意で、イギリス海軍の少尉候補生の俗称。
その制服とされた、紺色の厚手のウールのダブルブレストで、六つ釦の短い丈のボックスコート。ブレザーやピーコートのルーツとも言われる。

レザージャケット

レザージャケットとは、その名前の通り革製のジャケットの総称。狭義にはレザージャケットと呼ばれる場合は哺乳類のなめし革を使ったものが該当し、広義にはスエード地や他の全ての動物の皮で作られたジャケットのことを指す。

ワイルドジャケット

ワイルドは「野生的な」の意。
バイカースタイルのジャケットをもとにした女性用のブルゾンを指し、レザーやスエード、爬虫類等の加工品といったハードなイメージを強調したもの。

ワルクヤンカー

ワルクヤンカー(Walkjanker)とはチロリアンジャケットの正式名称である。

スーツ

スーツ(suit)とは「一式、揃い」の意。ジャケットとパンツあるいはスカートを同じ生地で作った服。
現在ではジャケットだけでなく、シャツとパンツ、ブラウスとスカートなどを、上下同じか同柄の生地で組み合わせたものをスーツと呼ぶ。
メンズウェアで今日のテーラードウェアが誕生したのは19世紀半ばで、それまでのフロックコートが簡略化した「ラウンジスーツ」が原点と言われる。女性では20世紀以降の社会進出と生活の合理化で一般的なものになった。

アイビーリーグモデル

アイビーリーグモデル(Ivy League model)とはハーバードなどのアメリカの伝統ある学生が好んで着用したスーツを一般化したもの。
寸胴のシルエット、3つボタンの上2つがけ、ステッチワーク、フックドセンターベンツなどが特徴。細身のパンツとあわせるのが一般的。

アソーテッドスーツ

アソーテッドスーツとは普通のスーツスタイルだけでなく、セパレーツにも自由に組み合わせを変えることのできるスーツ。
上下スーツ+共生地の1パンツで構成する2パンツスーツとは異なり、大抵は1着のジャケットに2本のスラックスで構成される。
アソートは商品構成、1揃えなどのビジネス用語として使われるアソートメントの俗語。商業的にジャケット+スラックスを替え上着+替えパンツとして売り出す組み合わせをショップ、デザイナーなどが提案する。
ジャケットとパンツの組み合わせを考えた場合、ストライプ柄のジャケット+パンツとした場合、替えパンツの組み合わせが難しくなるため、ジャケットには無地若しくは格子柄が望ましい。上下揃いのスーツでは同じに着用していても、パンツの消耗のほうがジャケットの消耗よりも早いため、経済的にもお客様にすすめやすい商品構成。
また、ジャケットとパンツの濃淡は、上下で差を付けるのがジャケパン、ジャケスラのセオリー。

アフタヌーンスーツ

アフタヌーンスーツ(afternoon suit)とは午後の社交に用いる女性向けスーツのこと。ふっくらとしたデザインとドスキンなどの上質の生地を使ったものが多い。黒一色の吉凶用のものもある。

アンコン仕立てスーツ

アンコン仕立てスーツとは「無構造服」。アンは否定、打消しの意味の接頭語。コンストラクテッドは「組み立てられた」の意味。
これまでの背広の絶対必要条件とされていた裏地、芯地、パッドを極力無視して仕立てられた、新しいスーツの名称である。
このようなスーツが生まれた背景には、イージーケア性を好む現代人の志向、よりソフトな服を追及するカジュアルファッションの伸展、レジャーライフを希望する生活態度などがある。また、スーツに限らず「アンコンストラクテッドな服」と表現することがあるように、すべての衣料にこうした傾向が伺える。”アンスーツ”、アンコンストラクテッドスーツとも呼ばれる。
裏地・芯地・パッドなどの付属を最小限におさえることで、布地を体に沿わせソフトな着心地感になるのが特徴。
生活様式のカジュアル化がすすむ中で、重衣料的なビジネススーツも必然、歩みより、コットン、麻、ポリエステルなどのハイテク繊維で作られるカットソー、パンツなどとも相性の良いアンコン仕様は、スーツスタイルにとって欠かせないアイテムとなっている。
また、雨降り袖といわれるシャツ袖仕立て、マニカ・カミーチャを特徴とするナポリタンクラシコも付属類を極力省いたアンコン仕立てと言ってよく、その風通しの良さや軽さから、夏用はもちろん、秋冬用のシルエットとしても多くのファンを持つ。

アンサンブル

アンサンブル(ensemble)とは「調和」を意味する言葉。ファッションの用語としては組み合わせて着用することを前提にした一そろいの衣服のこと。
ドレスとジャケット、コートとスーツ、コートとドレスなどがある。靴やアクセサリーなども含める場合がある。

アンスーツ

アンスーツとはアンコンストラクテッドスーツ、またアンコンストラクチュアードスーツの略。つまり「無構造スーツ」の端的な呼称で、他にイージースーツのいい方もある。
アンコンストラクテッドは芯地、パットなど付属をできるだけ少なく、軽い着心地のアンコン仕立て、イージースーツはウォッシュ&ウェア加工を代表とするケアが楽なイージーケアスーツを意味することから、アンスーツは生活様式のカジュアル化に伴って、スーツというアイテムが少しずつ変化してきた結果のものを総称する言葉と考えられる。
スーツを本来のビジネススーツとしてでなく、アンスーツ的な軽い着こなしで着用することを考えた場合、その生地・素材の選択も重要で、よりカジュアル性の高いワードローブとするならコットンスーツ、麻、ウールなら色柄物、仕事向きとしてのテイストを残したいのなら、通常のスーツ素材を選べば、柔らかなシルエットを特徴とするアンコン仕立てが、ビジネススーツとは異なるその雰囲気を充分満足させてくれる。

アンマッチドスーツ

アンマッチドスーツとは必ずしもジャケット、スラックス、またベストが共地、共色柄で構成されないスーツをさす新しい言葉。ミックスドアンサンブルということもある。
ミスマッチやミックスアンドマッチといわれるような伝統的ファッションのセオリーからは外れた、組み合わせの色柄を楽しむことは現代的な新しい着こなしのテクニック。
通常のスーツアイテムを構成する、ジャケット、パンツ、ベストをそれぞれ対(つい)になっていない、オッドジャケット、オッドパンツ、オッドベストのような替えのアイテムとして組み合わせる。
そのオッド的に着こなす組み合わせには必然、個性が出る。紺ブレにはグレーのパンツ、上下ともに柄物なら柄の大きさは少し変える、黒のジャケット、パンツは何とでも相性が良いなど、大きな失敗をしないためのいわゆる鉄板の構成もあるため、ドレスコードなどとよく検討してみることも重要。
ジャケット+パンツでジャケパン、ジャケット+スラックスでジャケスラにベストが加わったもの。

イージースーツ

イージースーツとはアンコンストラクテッドスーツのこと。 非常にカジュアルライクで軽い感覚をもつところから、こう呼ばれる。イージーケアスーツということもあり、これは特に”取り扱いの軽い”といった意味を持つもの。
ビジネススーツ仕様のかっちりとした堅めな印象のスーツから、気楽に羽織れるアンコン仕立てへ生活様式のカジュアル化に伴って重衣料アイテムも少しずつ変化してきている。アンコン仕立ては肩パットがない、もしくは無い程度に薄いため、肩回りは楽、芯地、付属の軽減も軽い作りの特徴となっている。
アンコン仕立てスーツは、素材との相性も重要で、ケアが楽という観点からみれば、シワになりづらくウールの風合いをもつ新合繊(化学繊維の混紡で、丈夫さとビジネス用ウール素材としての長所をもつほか、その他特殊な風合いを持つもの)なら、出張などの長期間、良い状態で着用することができるので最適である。 春夏ならコットンスーツ、麻、秋冬ならフラノ、カシミア、ベルベットなど、カジュアル用のアンコンスーツには適したものと言える。

イブニングスーツ

イブニングスーツとは、夜間における略礼装として用いられる婦人服のこと。サテンやレースといった生地を用いたものが多い。イブニングスーツと呼ぶ場合、男性物のスーツを指すことはまずない。

ウイークエンドスーツ

ウイークエンドスーツとは週末(ウイークエンド)に着られることを目的としたスーツの総称。
レジャーライフにマッチするよう、スポーティでくつろいだ感覚にあふれているのが特徴。週休2日制の本格的な時代を向かえ、大いにその用途が期待されるスーツアイテムである。

ウォーキングスーツ

ウォーキングスーツとは散歩服として19世紀に主にイギリスで着られたスーツのこと。原型はウエストが細くつまり、モモくらいまでの丈があり襟元がつまった形となっている。
現在は散歩用にスーツを着るという習慣はないので、歴史的に過去の洋装・洋服として着られたスーツをファッションとして考える時に書籍などで見かける以外にはない。
スーツの形としても、タイトなウエスト、サイレングスのジャケット丈は、機能的というよりも優雅に見えるシルエット。
ウォーキングという言葉からは、健康・ダイエットという言葉が思い浮かび、スーツとなるとダイエットスーツ的な、サウナスーツの印象が強いが、当時ウォーキングスーツは激しい運動などには適さない。散歩用に着られるための衣装として、一部の上流階級の人たちに流行したトレンド的なもの。

ウォーキングフロックスーツ

ウォーキングフロックスーツとは1900年代に流行したスーツのひとつで、おおむね3個釦としたカッタウェーコート(モーニング)に共地のウエストコートと脚にぴったりフィットしたトラウザースを合わせたスタイルになっている。
フロックというと、現在の昼間の正礼装・モーニングコートの前の正礼装として着用されていたフロックコートを思い浮かべるが、このフロックはもともと16~17世紀ごろにヨーロッパの農民階級の労働者に外出着・作業着として着られていた、素材も粗末なもの。
このフロックはこの後、一方では、富裕な上流市民に受け入れられ、上質な生地・仕立てで仕立てられるフロックコートになり、また他方ではベスト(ウエストコート)と揃いで着る3つ揃いスーツ・英国紳士の正しい外出着としてのスーツ、ビジネススーツの原点となっている。
当時のフロックコートのダブルブレスト6釦3掛、ヒザ丈までの長さのジャケット丈から、ウォーキングフロックスーツでは、フロントカットがモーニング同様動きやすいように(乗馬しやすいように)カッタウェーされているのは、機能性を取り入れた結果である。

ウェットスーツ

ウェットスーツ(wet suit)とはサーフィンやスキューバダイビングなどに見られる、潜水服の一種。ゴム製で内側がスポンジであるのが特徴で、耐水性と保温性を備える。動作もしやすくつくられている。

ウォッシャブルスーツ

ウォッシャブルスーツとは、その名前のとおりウォッシャブル(洗濯できる)スーツ。
ポリエステル加工などが施された男性用のテーラードスーツをさし、取り扱いが容易であり、かつ安価で販売されており、主に夏用のスーツとして需要が高い。

ウォッシャブルスーツであることから、家庭用の洗濯機でも洗濯が可能でありシワになりにくいといった特徴を持つ。

カクテルスーツ

カクテルスーツとは、カルテルパーティの際に着られるスーツの総称。
ドレッシーなスーツであり、イブニングスーツほど畏まらないものの、ある程度の格式が求められる。特定のスーツを指すわけではなく、こういった場で着られるスーツの総称。本来は女性服をさすが、近年では男性の服装に伝も呼ばれることがある。

カーディガンスーツ

カーディガンスーツ(cardigan suit)とはカーディガン風の衿のないスーツのこと。共生地のスカートと組み合わせる。婦人用の基本的なアイテムであるが、学生にも着用される。

カバーナセット

カバーナセット(cabana set)とは男性用の海浜着のことで、シャツと海水パンツセットでこう呼ばれる。色鮮やかなのが特徴。スペイン語で「海辺の小星」を意味するカバーニャに由来。

カントリースーツ

カントリースーツとはスポーティでカジュアルな感覚をもつスーツのこと。 多くはツイードなどカントリーライクな生地で仕立てられる。
田舎や郊外での着用をイメージさせるものをカントリースーツと呼ぶため、作られる素材や柄だけでなく、そのスーツを構成するディテール・デザインなども重要。運動量を豊かにするための、アクションプリーツやアクションバック、狩猟用ジャケットの機能的なデザインとしてのガンパッチやエルボーパッチなどはその代表といえる。
ノーフォークジャケットもその原形は、スポーツ・狩猟用ジャケットに由来し、カントリースーツとしての特徴をその形に多く持つ。
厚手のウール製素材、ボックスプリーツや、ウエスト位置の釦留めなど、スポーツ・狩猟用ジャケットとしての機能と、その機能が装飾化されたと思われるディテール。

キャリアスーツ

キャリアスーツとは作業服、ユニフォームなどの新しい呼び方、その仕事にふさわしい機能性を盛り込んだワーキングウェア?のことで、アメリカ既製服業界で初めて使われた。
広く、ビジネスウェア全般のことも意味している。キャリアには「職業的な、はえ抜きの」の意味もあり、”キャリアウーマンルック”などと使われることもある。この場合は「経験をつんで分別のある婦人が着る仕事着」のニュアンスを含んでいる。

コーディネートスーツ

コーディネートスーツとは、トップとボトムが別々の生地で作られたセパレートタイプのスーツのことを指す。トップとボトムはそれぞれ色や素材など異なるものの、コーディネートされた要素が入る。

コートアンサンブル

コートアンサンブル(coat ensemble)とは同じ生地を用いてコート、スーツを組み合わせたアンサンブルで同じ柄などを使ってあわせる。

コートスーツ

コートスーツとはコートとスラックスを共地で仕立てたスーツのこと。ある意味、共生地で仕立てるという意味ではツーピーススーツ。
一般にツーピーススーツといわれるものがジャケット+パンツの組み合わせなのに対して、コートスーツではコート+パンツの組み合わせで作るツーピーススーツ。
その他共生地で仕立てられるスーツには、ベスト+パンツのベストスーツ、ジャケット+ベスト+パンツのスリーピーススーツ、これにコートを加えて4ピーススーツという着こなし方もある。
シルエット的にはジャケットとベストは外着のコートに隠れてしまうため、コートスーツと、4ピーススーツは変わりがない。
コートの下に着るインナーにカジュアルなタートルネックや、防寒用マフラーなど、マニッシュなコーディネートで着るスーツスタイル。

コンチネンタルモデル

コンチネンタルモデルとは欧州型の背広モデルの総称。大文字でContinentalとつづれば「英国から見た欧州大陸の」という固有名詞になる。
ブリティッシュモデル以外のフレンチコンチネンタルモデル、ジャーマンコンチネンタルモデル、で構成されている。アメリカントラディショナルがスポーティな雰囲気をかもし出すとすればこれはドレッシーな雰囲気を持つといえる。
ジャーマンスタイルといえば、その国民性を反映して、やや堅さのある実用性と機能性を重視したファッションスタイルをいい、イタリアンコンチネンタルは、1950年代中ごろローマ発祥の背広型で、肩幅の広いスクエアショルダーを特徴とする、狭い衿巾、大きなカッタウェイフロント、浅いサイドベンツをディテールに持つもの。
コンチネンタルモデルは、コンチネンタルスタイル、略して「コンチ」といわれる。

コンテンポラリーモデル

コンテンポラリーモデルとはIACDが1965年に発表した流行モデル。
コンテンポラリーとは「現代的」の意味があり、シングルブレスト1釦、衿はシェープドラペル、フィッシュマウスなどの変わり型、脇ポケットはウエルトポケット、肩線はテーラードショルダーで、ウエストを絞った短い上着丈に特徴がある。
主にアメリカ西海岸、特にハリウッドを中心とした芸能人に愛用され、素材もイリデッセントなど派手なものが好まれている。日本では単に「コンポラ」の名前で呼ばれることが多い。
ビジネススーツの衿型としては、ノッチやせいぜいがセミノッチ。肩線はテーラード仕立てだが、衿型も変わり型なら、着丈もかなり短めを合わせることが多いコンポラスーツは、着崩したストリートファッション的な着こなしがよく似合う。
ジャケットのインナーには、カッターシャツよりもカジュアルな衿型のシャツや、ニット、足元はローファーに素足がぴったり。袖丈は、着丈にあわせて、少し短めぐらいが、しっくりくる。

コンプレ

コンプレ(complet)とはフランス語でテーラードスーツのこと。

サクセススーツ

サクセススーツとは成功するためのスーツといった意味。この言葉自体は10年以上も前の流行語だが、社会の要求に応えて再び取り沙汰されるようになってきた。いわばビジネスマンの出世するための服といった趣がある。
このサクセススーツは決まった色・柄のスーツというわけではなく、それぞれの個人の好みに左右されることが多い。トラウマ的にこのスーツで行くと商談がいつも成功する、相性が良い、自分に似合っているなど。勝負服、勝負下着などという言葉も聞くが、自分にとって自信を持てるアイテムという意味では同義。
また、似た言葉にパワースーツという言葉があるが、これは会社組織、ビジネス社会ににおいて、自分の地位、有能さを良く見せるためにスーツをうまく利用するもの。スーツ、ファッションセンスの良さ、着こなしでその人の人物評価も変わってしまうことが多々あるので、積極的にスーツアイテムを上手に使い、優位にビジネスをすすめる。

サックスーツ

サックスーツとは「背広」のこと。アメリカで背広に対して使われる言葉で、シングルブレストのスーツのこと。イギリスでラウンジスーツと呼ぶのに対して用いられる。背広の上着はサックコートと呼ばれる。共に「袋のようにゆったりした」の意味からきている。
服飾用語としてのスーツは、ジャケットとパンツあるいは、スカートを同じ生地で揃えた服一式のことを意味し、背広は本来、折り衿のものを原則とする、日本ではテーラーで仕立てたテーラードスーツのこと。語源は、英国ロンドンで多くの仕立て職人の集まる仕立て屋街、サビル・ロウからきたものという説もあるが本当のところは不明。
アメリカのサックスーツといえば、アメリカントラディショナルの老舗、ブルックスブラザーズの定番商品、「ナンバーワンサックスーツ」「Ⅰ型スーツ」が有名。フロントダーツを入れず、ナチュラルショルダーなボックスシルエットのスーツは、「ゆったりした・だぶだぶな」サックそのもの。
ラウンジスーツは、正式な着るフロックコートに対して、日常着的な紳士のスーツという意味合いのものなので、「折り衿のジャケット、に共生地で作ったパンツ、ベスト、スカートを合わせたスーツ」というところで、一致します。

サーティースルック

サーティースルックとはサーティース(1930年代)に流行した背広スタイル。それを現代風にアレンジしたもの。
ボールドルックと同義で、肩幅がやや広くて張りがあり、衿幅は広く、上着丈も長い。柄もチョークストライプなどボールドなものが多く、その代表的なものは1930年代のシカゴギャングたちの服装に見られる。
ボールドルックのボールドとは「大胆な」という意味をもち、そのシルエットはパットの量を増やして、肩を「いからす」ように強調し、衿巾は広く、ネクタイも幅広のものを合わせる派手めなファッション。
代表的なジャケットデザインには、6釦1掛のボタンワンダブル。6個ある釦のうちの下1個だけで留める形なので、ネクタイ、シャツの見える胸開き(Vゾーン)が広くとれる、ダブルジャケットの中でも一番ルーズな、ゆったり感の似合うモデル。

サマースーツ

サマースーツとは、夏季用のスーツの総称。
暑さ対策の為に清涼感のある素材や生地を薄くしたりしているのが特徴。近年では単純に生地を薄くするだけでなく、清涼感のあるクールウールなどの素材を用いたものが増えてきている。デザイン的には他の季節のスーツと変わるところはあまりない。

ジップスーツ

ジップスーツとは前開きをジップフロントにしたジャケットをもつスーツの総称。また、ジャンプスーツに似たもので、上着とスラックスをジャンパーでつなぎ、取り外し可能とした服のこともいう。
1920年代に飛行服として着用されたジャンプスーツの形が、1970年代ごろからファッションとして一般にも広まったもの。日本では「キーハンター」で野際陽子が、海外では「チャーリーズエンジェル」でファラフォーセット・メジャーズや、ジャクリーン・スミス、ケイト・ジャクソンがコスチュームとして着用し、注目を集めた。

ジャズスーツ

ジャズスーツとは第一次世界大戦後に流行したスーツの呼称。ペッグトップモデルのトラウザースにナローショルダー(狭い肩)のジャケットを組み合わせたスタイル。
ジャケットは特にディテールに凝っていて、胸が極端にフィットし、裾で大きく広がるフレアード型であり、背中はプレーンまたは、ピンチバックコートのようにしたものもあった。多くは深いセンターベントで釦数は1,2,3個と種類も多かった。
トラウザースはいわゆるペグトップパンツで、ゆったりした腰周りから、裾に向かうにしたがって先細りになった形のもの。西洋梨のコマに形が似ているところから、ペッグトップのと呼ばれている。
現在のスーツの形としてみることはないジャズスタイルのスーツは、アメリカの黒人ジャズメンたちの間から起こったファッションスタイル。ジャケットの裾に向けて大きくフレアするシルエットは、タイトなウエストを強調して見せている。
第一次世界大戦以前に、それまでニューオリンズを中心に演奏されていたジャズが、大戦以降この軍港から南部以外の土地にも広がりを見せるのに合わせて流行したスーツの形。

シャツスーツ

シャツスーツ(shirt suit)とはシャツ型の上着とパンツ、スカートを組み合わせたもので共地、同柄のものが一般的。上下ともシャツの生地で仕立てたものも、こう呼ばれることがある。

ジャックスーツ

ジャックスーツとはジャンパー型の上着と、共地のスラックスを組み合わせたスーツのこと。
形はジップスーツが、前開きをジップフロントとしたものの総称、ジャンプスーツがシャツとズボンがつながり、一体となったスーツのことを意味することから、「つなぎ服」の同類。
素材はテーラードジャケットで使うウールとは異なり、ジャンパーに用いられる防寒、耐久性のあるものが使われることが多い。
ただ、ジャックという場合、ジャケットの語源ともなった中世の腰丈の兵士服をいう。このジャックは13~15世紀ごろまで使われていた兵士の胴衣で、布を重ねたり、胴衣の裏に金属を当てたりして敵の剣を通さないように工夫されていた。
スーツが上下のジャケット・パンツのアイテムを、同じ生地で作ったものをいうことから、つなぎ服に類するものの名前にはスーツと名前のつくものが多いといえる。

シャネルスーツ

シャネルスーツ(Chanel suit)とはガブリエルシャネルがデザインしたスーツ、あるいはそれに類似したスーツのこと。シンプルなカーディガンスーツの一種。衿なしのジャケットにブレードのトリミングが特徴。

ジャーマンコンチネンタル

ジャーマンコンチネンタルとはコンチネンタルモデルのひとつで、ドイツ型のものをいう。 全体に保守的なイメージがあり、カチッと決まったスタイルが特徴である。ナチスの軍服などに見られるように、直線的でエレガントな雰囲気を好むのがドイツ人の国民性だともいえる。
アメリカンスタイルのイージーで気楽な感覚、イタリアンスタイルの自由な感覚に比べて、堅実で、ファッション性を追究するよりも、機能性・実用性に優れているコンサバティブなイメージ。
ファッションでドイツ、ジャーマンの名前がつくのは、ジャーマンノットステッチぐらい。これは、手芸の色糸刺繍に用いるもので、フレンチノットステッチよりもやや大きめの点刺し。カイゼルはプロイセンの皇帝ヴィルヘルム2世が髭をたくわえていたことからで、ドイツ語で皇帝のことを意味しているらしい。

ジャンプスーツ

ジャンプスーツ(jumpsuit)とはシャツとズボンが一体になったスーツのことでレーシングスーツなどが挙げられる。本来は作業服や飛行服として用いられていたが'70年代から一般化した。

スイムスーツ

スイムスーツ(swim suit)とは水着のこと。水切りがよく、塩分にも強い伸縮性のある素材がつかわれる。ベージングスーツとも呼ばれる。

スペーススーツ

スペーススーツ(space suit)とは宇宙服のこと、もしくは宇宙志向のスーツのこと。宇宙空間の環境でも生活できるように気密性があるもの、もしくは未来感覚の素材を使っているのが特徴である。

スリーピース

スリーピース(three-piece)とはジャケット、ベスト、ズボンを共生地でそろえたもののことで、三つ組みともいう。男性の本格的なスーツとされるもので、女性用のものはジャケット、ブラウス、スカート(またはパンツ)のものを指す場合もある。

スリーピース

スリーピース(three-piece)とはジャケット、ベスト、ズボンを共生地でそろえたもののことで、三つ組みともいう。男性の本格的なスーツとされるもので、女性用のものはジャケット、ブラウス、スカート(またはパンツ)のものを指す場合もある。

スートスーツ

スートスーツとは上下を共地で仕立てたごくオーソドックスなスーツを強調して言う言葉。デュオス、トリオスなどこれまでの概念を超越したスーツが数多く登場し、上下が必ずしも共地でなくてもスーツと呼ぶ考え方が徐々に一般化している現状から「正確な背広」という意味であらわれた用語である。
デュオスやトリオスはそれぞれのジャケット、ベスト、パンツ、スカートなどのアイテムを別素材でスーツとして構成する組み合わせのコーディネート。デュオスは二重奏という意味合いから、ジャケット+パンツを別素材でコーディネート、具体的にはジャケットをベルベット、パンツをデニムパンツなどで組み合わせる。
主にウール素材で組み合わせるオッドジャケット+オッドパンツ(替え上着+替えパンツ)よりも、素材の範囲が広いもの。
本来、上下共生地で仕立てたものを「スーツ」と呼ぶことから、スーツを構成するアイテムの自由な組み合わせから定着した「デュオス」「トリオス」などと区別するための分類上の用語。

スプリットスーツ

スプリットスーツとは組み合わせ式のスーツのひとつで、ジャケット、ベスト、スラックスの3種を別の素材で仕立ててコーディネートさせるというもの。ジャケット、ベスト、スラックスをそれぞれ異なる素材で仕立ててコーディネートさせた新しい感覚のスーツのこと。
オッドジャケット、オッドベスト、オッドパンツを3つ揃いの形でバランスよくコーディネートし、組み合わせて着用するもので、洋服全般にわたるその組み合わせのテクニックをプットトゥギャザーという。これら3アイテムを同様に別素材で組み合わせるコーディネート「トリオス」は同じもの。
組み合わせ方でも、3アイテムを同系色でまとめたり、ベストのみ柄物などはスーツ的な落ち着いた着こなしになり、多くの色柄を使えば使うほど、そのコーディネートには高度なテクニックが必要になる。

スポーツスーツ

スポーツスーツとはスポーティな感覚をもって登場したスーツのひとつで、次の特徴がある。
1)前面はスリーパッチ&フラップポケット、バックはセンタープリーツ&ベルテッドなどスポーティなディテールデザインが採り入れられている。
2)従来、スポーツウェア用であった素材が使われている。
3)アンコンストラクテッド仕立てになっている。

スリーパッチポケットは、胸ポケットが通常のビジネススーツでは箱ポケット(ウエルトポケット)となっているのに対して、アウトポケットとなっており、更に腰ポケットはフタ付きとなっているもの。ベルト付きとなったジャケットはノーフォークジャケットなどに見られ、スポーティーな印象がある。
スポーツウェア用の素材と限定してしまうと、かなり使用される範囲が狭められてしまうが、ウール+ポリエステルなど化学繊維混紡のストレッチ製のある素材と考えると良い。
アンコンストラクテッド仕立ては一般的にいうアンコン仕立て。肩パッドや芯地を省いた軽い仕立てで、体に沿わせるソフトな仕立て上がりのもの。胸ポケットデザインをアウトポケットに変えただけで、カジュアル感が増し、アウトドア的なジャケットとして着用するには向いたものとなる。

スラックスーツ

スラックスーツとはシャツまたはジャケットとスラックスを調和色または対照色で一対としたコンビネーション。一般にスラックスを中心として組み立てるもので、シャツスーツの1種といえる。
これらのシャツ、ジャケット、スラックスを組み合わせて1つのトータル的なファッションとして着こなす際に、スラックスを中心にその構成を考える。商品化された構成というよりは、コーディネート手法に近い。
まず、お気に入りのスラックス、パンツが1本あり、それに合わせてシャツ、ジャケットを購入若しくは、組み合わせのファッションを考える。
ボトムス中心にファッションを構築するという意味では、スーツ、ジャケットのカジュアル化がすすむなか、また夏にエコなクールビズの要請から、今後注目し、取り入れるべきファッションセンスと言える。

スリーセパレーツセット

スリーセパレーツセットとはセパレートスタイルにアダプタルコンセプトを採り入れたもので、ニュースリーピーススーツとも呼べる3点セットのことである。
ジャケット、ベスト、スラックスの3点を例えば色で統一し、柄で違えて組み立てるものである。セパレーツにベストをプラスし、さらにミックス&マッチの手法を織り込んだ新しい着こなしの表現である。

スリーピーススーツ

スリーピーススーツとはジャケット、スラックス、ベストの3つで構成される本格的なスーツのこと。
スーツ発祥の地、英国でのブリティッシュスタイルのスーツにはベスト付きであることが欠かせない。もともと背広はこのスタイルが常識であったが、第二次世界大戦以後、アメリカの簡便ルックの影響もあって長く忘れられていた。しかし、現在ではまた主流となりつつある。「3つ揃い」「3つ組み」のこと。レディースでは、ジャケット、ブラウス、スカートの組み合わせのこともスリーピースという。
ジャケット+パンツのツーピーススーツに、共生地で仕立てられたベスト(ウエストコート)を加えたものがスリーピーススーツとなる。
昭和30年代の採寸・教則本には、採寸は「ベストを着用した状態で、バストなど採寸し、ウエストは、チョッキの上と下両方から採寸する」とあることから、当時もチョッキ付きスリーピーススーツが主流だったことが伺える。
ベストには衿付き、衿なしがあり、また背表のつけ方に、ツルツルしたサベリという化繊の布地を付ける場合と、前身と同じ生地を付ける背表共生地がある。

セットアップ

セットアップ(setup)とはジャケットとボトムをそれぞれ独立に組み合わせのできるもののことで、コーディネートスーツとも同意にも扱われる。自分のサイズに合った単品売りで、「組み立てる」ことに由来する。

セパレート

セパレートとはオッドジャケットとスラックスの組み合わせの総称。
本来、スポーティなタウンウェアとして用いられていたが、ジャケット、スラックスとも色柄・素材の多様化が進むにつれ、着こなしのテクニックも巧みになり、ビジネスウェアにも採り入れられるようになった。
コーディネートスーツ、ミックスドスーツといった新しい概念の用語があらわれ、セパレートはいささか古い感じがしないでもない。

セパレーツ

セパレーツ(separates)とは上下が分断されて一そろいに組み合わせが可能な服のことで、とくに替え上着とスラックスの組み合わせを指す場合が多い。スーツ感覚が強いものをセパレートスーツと呼ぶことがある。

背広

背広(せびろ)とはテーラードスーツの日本での呼び名。立ち衿でなく折り衿であるのが一般的である。名前はロンドンの仕立て屋街のサビルロウから派生した説とシビルクローズに由来するなど諸説ある。

ソフトショルダーモデル

ソフトショルダーモデルとはアメリカントラディショナル型の背広の肩線の新しい呼び方で、ナチュラルショルダーのこと。ヨーロピアン調の影響などから、トラディショナル型の背広も衿幅が広く、全体にシェープドされているが、それに合わせた肩線のことをいう。現代のトラディショナルモデルの主流となっている。
肩パッドの量を極力少なくすることで、自然な肩のラインに沿わせる、ショルダーラインを誇張しないシルエット。ブリティッシュスタイルや、イタリアンスタイルに比べ、着やすさを重視したアメリカンスタイルの代表的な肩線といえる。
アイビーリーグモデル、アイビールックのスーツ、ブルックス・ブラザースに見られるアメトラ、ナンバーワンサックスーツ(Ⅰ型スーツ)のショルダーラインに見られる。
また、単に主にメンズのカジュアルジャケットに見られる、肩パッドなし若しくは極力少ない肩パッドを使用した、ソフトな(柔らかな)やさしい肩線のことをいう。

ソフトスーツ

ソフトスーツ(soft suit)とはソフトな外観と素材を用いたスーツのことで、1980年代のデザイナーズブランド流行以降に見られる。アンコンストラクテッドスーツの発展型。ソフトメークスーツとも呼ばれる。

タイユール

タイユール(tailleur)とはフランス語で女性のテーラードスーツのことを指す。もとは「仕立て屋」の意味である。男性のものはフランス語でコンプレと呼ばれる。

タウンスーツ

タウンスーツ(town suit)とは街着としても用いられるスーツのことでカントリースーツに対してビジネススーツのことを指しているが、現在ではカジュアルなスーツのことを指すことも多い。

タキシード

タキシード(tuxedo)とは燕尾服に準じる男性の礼装で、英語ではディナージャケット、フランス語ではスモーキングにあたる。
原則として側章いりの黒のストレートパンツに黒の蝶ネクタイを用いる。19世紀末にニューヨークのタキシードクラブのメンバーが着用しはじめたことに由来する。

タキシードスーツ

タキシードスーツ(tuxedo suit)とはタキシードを取り入れた婦人用のスーツのこと。

ダークスーツ

ダークスーツ(dark suit)とは暗い色合いの生地を用いた男性用のスーツのことで濃紺やダークグレーが一般的。本来はインフォーマルウェアとして用いることのできるスーツのことを指している。

チュニックスーツ

チェニックスーツ?(tunic suit)とは長い丈のジャケットと共地のパンツまたはスカートを組み合わせとしたスーツのこと。スリムなシルエットが特徴。

つなぎ

つなぎとは上下がつながっている服のこと。ジャンプスーツのこと。作業服を指す場合が多い。

ツーピーススーツ

ツーピーススーツとはジャケットとスラックスのふたつで構成されたスーツ。ごく一般的なスタイルだが、全般に普及したのは第二次世界大戦後のことと新しい。アメリカでの服装の簡略化がもたらした現象だが、戦前はスリーピーススタイルで帽子をかぶるのが常識とされていた。共地のベストとオーバーを組み合わせた"フォーピーススーツ”というのもある。
この場合のジャケットは、打ち合いがシングルでもダブルでもどちらの場合にもツーピーススーツという。
よくお客様から、打ち合いがシングルのジャケットには、パンツの裾もシングルで、ダブルにはパンツの裾も折り返しのあるカフス付きが良いのかという問い合わせをもらうことがあるが、特にその区別はない。また、ジャケットダブルに裾ダブルが正式のようなイメージを持っている方も多いが、パンツの裾はシングルが正式。現在では、スーツといえばツーピーススーツの印象が強い。

テーラードスーツ

テーラードスーツ(tailored suit)とは紳士仕立ての女性用スーツのこと。男性用のスーツと同じような素材を使うものであったが、ソフトな素材も使用されるようになった。

ディトス

ディトス(dittos)とは上下が同じ生地のスーツのこと。同上、繰り返しを意味するディトーに由来する。スートスーツ、リアルスーツとも呼ばれる。

ディナースーツ

ディナースーツとは、フォーマルウェアの一種。私的なディナーなどの際に着用するスーツとされている。正式な礼装とはみなされない。

ディレクターズスーツ

ディレクターズスーツ(director's suit)とは男性用の昼間の準礼装として用いられる礼服のひとつで、黒のダブルブレストかシングルブレストのジャケットに黒白のスラックスを合わせるのが一般的。「指導者」を意味するディレクターが由来。

デザイナーズスーツ

デザイナーズスーツとは、紳士用のデザイナーズブランドのスーツを指す。他の一般的なスーツとの違いは明確ではない。単に一般的なスーツではないということを示す販売側からの呼び名でもある。

デュオス

デュオスとはデュオは「二重奏、二人組」の意味で、ジャケットとスラックスの2者がよくコーディネートされた別素材で仕立てられてスーツと呼ばれるものをいう。
また、2種類の感覚を生み出す目的から、ジャケットに2本の異なるスラックスを合わせてスーツと?する新しい販売テクニックもいう。
音楽用語に使われる「デュオ」からイメージされるほど、二つのハーモニーがぴったり合うジャケット+パンツのコーディネートをさせたものといえる。好ましいコーディネートは個人の好みも多く含まれるが、この場合、「デュオス」といわれるものは個人的趣向に偏ったものではなく、一般的によく調和されていると認められるもの。
色合い、トーンの濃淡であわせたり、大柄+小柄であわせたりなど、そのバリエーションは多彩。奇抜さよりも、コンサバ的な組み合わせ。

ドライスーツ

ドライスーツ(dry suit)とは潜水服の一種で気密性が高い。体が濡れないのでドライスーツと呼ばれる。ウェットスーツ。

トリオス

トリオスとはトリオは「三重奏、3人組」の意味で、ジャケット、ベスト、スラックスの3者がよくコーディネートされた別素材で仕立てられてスーツと呼ばれるものをいう。また、別の効果を生み出す目的からジャケットとベストに2本の異なるスラックスを合わせてスリーピーススーツとする新しい販売テクニックもいう。
ジャケットとスラックスを別素材で仕立て、コーディネートするものをデュオスというが、ベストのアイテムが増える分、その組み合わせのパターンも増え、更に高いファッションセンスが要求される。
それぞれの素材の持ち味を生かすこと、色合い、色柄の組み合わせ、まとめ方、ジャケット、ベスト、スラックスのうちの1アイテムのみをオッド的に使うなど、工夫次第でそのバリエーションは豊富。
また、1組のコーディネートされたトリオスに、別アイテムを加えていくことで、少しずつ変化のあるおしゃれを楽しめる。

ドレススーツ

ドレススーツとは男性のイブニングドレスとしての夜会服また礼服のこと。燕尾服、タキシードなどの、夜間用フォーマルウェアのこと。この場合のドレスは「礼服の」「正装の」という形容詞に使われている。
カジュアルな服装が広く普及した現在では、「おしゃれする」「着飾る」「ドレッシーな着こなしをする」ことをドレスアップというが、このドレスアップも正しくは、正装(盛装)するという意味をもつ。
同じ正装であっても、ドレススーツという場合、夜間に着用する正礼装である燕尾服やタキシードのことのみをさし、昼の正礼装、モーニングコートは含まれない。 夜間の式服には、衿表に付けるフェイシングシルク(拝絹)、アクセサリー類など、ドレスアップするための小道具も多く、華やかな着飾る晩餐会などの社交的なシーンを演出する。

ドレスメーカースーツ

ドレスメーカースーツ(dressmaker suit)とは婦人服製造業者ドレスメーカーによるスーツで、テーラードスーツと対するもの。優雅な素材とフェミニンな特徴をもっている。

ニッカースーツ

ニッカースーツとはジャケット、ベスト、ニッカーを共地で組み合わせてスリーピーススーツに仕上げたもの。19世紀末から流行した、主に野外着として用いられた。1920年代にはゴルフ向きのスポーツウェアとして、このスーツが見られる。 ニッカーはニッカーズ、ニッカポッカーズといわれる、膝下丈のゆったりしたズボンのことで、ギャザーを裾で絞り、裾口は釦などで止める形になっている。また、ニッカポッカーズの一種、プラスフォアーズは、この膝下丈のニッカポッカーズよりも4インチ股下の長いもの。
ゴルフウェアとしてなじみ深いこのニッカースーツは、ジャガードやリブ編で作られるニッカーホーズや、ハンチングなどと1セット。ニッカーホーズは登山などにも使われるもの。
共生地で仕立てられるスーツだが、アウトドアで用いられることを前提として、選ばれる生地も、野趣あるツイードなどが多い。

ニットスーツ

和製英語である。
1)編地で作られたスーツの総称で、セータースーツも含まれる。
2)前期のうち、セータースーツを除くレディーススーツの事。ジャージーを裁断・縫製(カットアンドソーイング)した製品と、ミラノリブ編等によるカットアンドリンキングの横編製品がある。テーラード感覚のものからカジュアルなものまでバラエティーは豊富。

ネールスーツ

ネールスーツとはネールカラーと呼ばれる独特の立衿を特徴としたスーツのこと。ノンスーツの1種。
ちなみにこの衿はインドの故ネール首相の衿型であったところから"ネールカラー"と名づけられたものである。その起源はインドの王侯貴族が着用したという、通称”ラジャーコート”にまでさかのぼることができる。
よく似た衿型をもつスーツに、マオカラースーツがある。マオカラーは、中国共産党指導者だった毛沢東の名前にちなんだもので、1960年代に流行したもの。チャイニーズカラー、中国清朝の高級官吏のことをさすマンダリンカラーと同じものとファッション関係の本にもあるので、このマオカラーもそれ以前からあった衿型。
ネールカラーは、ネール首相の1947~64年在任中、60年代にアメリカの雑誌に掲載されたことから広まったものなので、時期的には同じころ知られるようになったもの。

ノンスーツ

ノンスーツとはスーツでないスーツといった意味で、これまでの常識を破った新しい形式の上下一対を総称する。さまざまな解釈がなされるが特に既製の背広型に対抗し、また改革するためにあらわれた1970年以降のものについていう。
主に外観的に新しいそれをいい、カーディガンスーツ、シャツスーツ、ブルゾンスーツ、ベストスーツなどが代表的。また内面の構造的なニュースーツをアンスーツ(アンコンストラクテッドスーツ)、イージースーツなどと呼び、上下組み合わせ的に新しいスーツをコーディネートスーツ、ミックスドスーツなどと呼ぶ。最近ではスポーツスーツ、レジャースーツのほうが名称としても新しく、こちらを使う場合が多い。
スーツは、共生地で仕立てられた上下服を基本とすることから、それ以外の全てのものと考えられる。単純にスーツのような形をしたものならすべて含まれるようなところもあり、スーツでないスーツという名前が付けられていることもうなづける。
素材は共生地で仕立てられていなくても可、背広・スーツの必須となる折り衿でなくても可、テーラード仕立てらしくないパット・付属・芯地がなくても可など、スーツでないスーツ形式の衣類全般に対して使われている。

パッケージスーツ

パッケージスーツとは多様なコーディネートが容易にできることを、はじめから意識して作られたスーツのこと。新しいスーツの考え方から生まれたもので、たとえばこれのスリーピーススーツが3着あれば、お互いのベスト、スラックスを組み替えることによって27通りものスーツスタイルが生まれることになる。
ただ、その単純に数式的なコーディネートのパターンが、個人の好みに合うものかどうかというのが少々疑問。そのスリーピーススーツ間相互のコーディネート性を重視するのなら、変わり柄や変わった色合いなどのものは難しいので、、定番的なものを選ぶと合わせやすい。
商品構成、販売戦略、売り場の一角をしめる商品群のことで、まとめて3着買いは現実的でないため、取替えて組み合わせれば多くのコーディネートが楽しめるというコンセプト。
スーツも上下必ず揃う必要はなく、ジャケット、パンツ、ベストをそれぞれオッドアイテムとして考え、着こなす。

バミューダスーツ

バミューダスーツとは、バミューダショーツと同じ生地のジャケットを組み合わせたスーツのことを指す。膝丈上のショートパンツスーツのこと。

パンタロンスーツ

パンタロンスーツ(pantalon suit)とはパンツスーツと本来は同じである。ジャケットとパンタロンが共地でつくられているのが特徴。パンタロンとはフランス語でズボンのこと。1966年以降、世界的に流行した。

パンツスーツ

パンツスーツ(pants suit)とはパンツとジャケットの組み合わせのスーツのこと。パンタロンスーツ。

ビジネススーツ

ビジネススーツ(business suit)とはオフィスで男性が働く際に着用する背広服のこと。ダークな色合いが多く、ワイシャツとネクタイの組み合わせが一般的。女性のテーラードスーツを指す場合もある。

ビーフィスーツ

ビーフィスーツとはビーフィは「肥満した」の意味であるが、ここでは「肉厚の」の意味にとる。つまり、厚手の生地に仕立てたスーツの総称である。メルトン、ツイードなどの厚く、ラフな感覚の素材はスーツに仕立てるとウォーム感あふれるカントリースーツに変身する。最近ではこうした素材のスーツを街中でも着ることが流行している。
田舎っぽいカントリー調素材のスーツには、タブ付きの衿、背バンド、アクションプリーツなど相性の良いディテールがある。
温暖化傾向の秋冬シーズンには、厚手の生地で仕立てられたジャケットがコートがわりで十分ということもあるため、着丈を若干長く、半コート的な着こなしもこのカジュアルに向いたスーツにはある。半コートならドライブ用のコートとしても、ちょうど良い長さである。

ファンシータキシード

ファンシータキシード(fancy tuxedo)とは色や柄が付いた略式タキシードの総称。
タキシードと同じ作りだが、ベルベットやベルベッチン(別珍)等の華やかな生地で作られるのが特徴。タキシードとダークスーツの中間のフォーマルジャケット。

ブラックスーツ

ブラックスーツとは、一般的に略礼服として用いる黒いスーツの事を指す。仕事着としての黒い背広はダークスーツと呼ばれ区分される。
主に冠婚葬祭用のスーツとして知られる。ネクタイを変えることで結婚式から葬儀まで多用でき、日本では一般的な礼服として利用される。

ブリティッシュモデル

ブリティッシュモデルとは英国調の背広型。 紳士服の原型ともいえるこのモデルは、上着丈が長くウエストをしぼり裾にフレアをだしている。つまり、シェープドラインが基調となり、それにカントリールックの味が加えられている。トラディショナルルックの原型もここにある。
単に英国調のスーツといっても、その年代によって着用されていたシルエット、パターンも異なるため、現在多くのショップなどで、ブリティッシュスーツとして提案されているものは、イングリッシュドレープのスタイルを基本におくものと考えてよい。
イングリッシュドレープは狭いめの肩巾~ゆったりした胸巾で男性らしいバストドレープを演出、高めのウエスト位置でシェイプされたシェイプドルックで、長めの着丈はフレアぎみでドレッシーなスタイルとなっている。全体的に、アメリカンスタイルやイタリアンスタイルにくらべきっちり、かっちりした印象は英国スタイルの特徴とするところ。

ブルゾンスーツ

ブルゾンスーツとはブルゾンと共地で仕立てたスラックスを組み合わせたスーツ。
スーツのカジュアル化でノンスーツの1種といわれるもの。生地もビジネス用のの生地よりは、デニムや新合繊などカジュアルタッチのファブリックが多い。
着用する場所が仕事場などに限られないため、デザインも自由度が高く、中には胸にエンブレム、肩章、刺繍などを入れて個性的なおしゃれを楽しみたい方に最適なアイテム。

フルドレススーツ

フルドレススーツ(full-dress suit)とは男性の夜の第一礼装のことを指す。燕尾服とズボンをそろえたもの。

ブレザースーツ

ブレザースーツとはスラックスをブレザーと共地・共色柄で作って組み合わせた一式をいう。多くの場合、ブレザーの基本色である黒を多く使うためビジネススーツまたフォーマルウェアのひとつとして用いられる。
ブラックウォッチタータンと呼ばれる黒と緑で作られるタータンチェックのスラックスを合わせても、現在ではこの分類に入れておかしくない。
共生地で作られたジャケット+スラックスなら一般的にはスーツと呼ぶのに対して、トップスがブレザーの場合にはブレザースーツと呼ばれることになる。ブレザーはスーツと同じテーラード型(背広型)のシングル、またはダブルのカジュアル、スポーツジャケットの総称で、腰にパッチポケット、ブレザーボタンと呼ばれるメタル製の釦、胸にはエンブレムが付くこともある。
上下とも共生地で作られているという点ではスーツだが、特徴のあるデザイン・ディテールの面からあえて分けて考えたほうが良いという分類。
ブレザーの語源は、ケンブリッジ大学のボート部員が着用した上着が炎(ブレーズ)のように見えたというのと、英国軍艦ブレザー号の紺の上着からとする説が有名。

フレンチコンチネンタル

フレンチコンチネンタルとはフランスの背広型の総称。 以前は、肩がドロップショルダー、曲線的なボディシルエットなど特徴が見られたが、現在では的確な区別が付けられなくなっている。しかし、フランス独特のエレガンス、シックな雰囲気が感じられ、洗練された紳士服ということがいえるだろう。
コンチネンタルスタイルはメンズスーツにおいて、アメリカ型のスタイルに対するヨーロッパ調のスタイルというように使われる。その中でも、フランス特有の背広型をもつものをフレンチコンチネンタルという。
現在スーツスタイルのシルエットは、ブリティッシュスタイル、イタリアンスタイル、アメリカンスタイルの3つに分けて考えられることが多いため、フレンチコンチネンタルの言葉の持つ意味は薄れてきているが、ファッション用語で「フレンチ」と名前の付くものは、やはり多く、流行スタイルを適度にセンス良く取り入れることを特徴とする、フランス風カジュアルスタイル、「フレンチカジュアル」はファッションの1ジャンルとして日本でも定着し、「パリカジ」ともいわれ、アニエス・ベーがその代表ブランドとしてあげられる。

ベージングスーツ

ベージングスーツ(bathing suit)とは水着のこと。スイムスーツ。スイムウェア。

べステッドスーツ

べステッドスーツとはベストつきのスーツという意味だが、一般のスリーピーススーツと違って、特にベストとスラックスを共地にし、よくコーディネートされたジャケットを組み合わせたそれをさすニュアンスが強い。
難しい着こなし、コーディネートのようだが、ベスト+パンツを共生地で作り縦のラインを揃えるというのは、見た目がすっきりして誰にも似合いやすい。ジャケット、パンツを共生地の2ピース+オッドベストのような着方はよく見るが、それよりもはるかにスタイリッシュなスマートさを演出できる。
スリーピーススーツという点、秋冬用のコーディネートと考えるなら、ベスト+パンツはビジネス用スーツ的な梳毛地でも、アウターのジャケットはカントリー調のツイードなど起毛感のある素材とするとウォーム感も出る。ジャケット重視で、ベスト・パンツを合わせる場合にも、またその逆にコーディネートする場合にも、それぞれ組み合わせた3ピースの入れ替えでより多くのファッションスタイルを楽しめる。

ベストスーツ

ベストスーツ(vest suit)とはベストとパンツ、あるいはスカートを組み合わせたスーツのことで、基本的なアイテムのひとつになっている。
ノンスーツのひとつとして位置づけられ、アウターウェアのような外観をもったものが多い。

ベルテッドカーディガンスーツ

ベルテッドカーディガンスーツとは1970年ごろからあらわれたノンスーツの1種。チュニックスタイルのジャケットに共地ベルトまたは革のワイドベルトをあわせ、スーツスタイルとしたもの。レジャースーツにこの感覚は生かされている。
筒袖・筒型胴衣のゆったりしたチュニックをベルトで高めのウエスト位置をマークすることで、足長に見せる効果もあり、また独特のドレープ感も楽しめる。
ジャケット素材、パンツ素材とも共生地で作ることを前提としたスーツに、幅広いバリエーションを持たせ、ファッションとしての着こなしを奥行きあるものとしているのがノンスーツというジャンル。カジュアルよりの着こなしも可能なことから、応用範囲も広く、レディーススーツのちょっとよそ行き的な外出着として、着心地感も軽い。
ベルトのアクセサリーとしての役割は大きく、巾の太さ、共生地、別生地、紐タイプなどで印象も変化する。

ボレロスーツ

ボレロスーツとはボレロは女性や子供がよく用いる丈の短い前開きのジャケットだが、これを真似て作られたベストスーツをこの名で呼ぶ。
ボレロスーツを構成するアイテムは、ボレロ+パンツではなくボレロに似せたベスト+パンツの組み合わせ。ただ、その境界線は微妙で難しく、ボレロが、衿・袖あり、なし両方を含み、丈はウエスト丈程度のものであることから、ベストとボレロのシルエットは近いものといえる。
大きくベストとボレロの異なるところは、ボレロがジャケットフロントの前開きを開けて着るのを特徴とするところなので、ベストをアウター的に着用するボレロスーツの場合には、ベストに近いシルエット+前開きで判断すると良い。
また、ボレロはスペイン舞踊の意味で、踊り子が着ていた上着からのシルエットデザイン。闘牛士が着ているジャケットもこのボレロ。

マンテーラードスーツ

マンテーラードスーツ(man-tailored suit)とは紳士服仕立てにした女性用のスーツのこと。19世紀から女性の日常着として着用されるようになり、20世紀には定着した。

ミックスドスーツ

ミックスドスーツとはセパレートの形式をとりながら、上下が色か柄、素材のどれかでコーディネートされているもの。新しいスーツの概念のひとつとして登場している。コーディネートスーツ。
ミックスとは「混ぜる、混和する、結合する、一緒にする」の意味がある。ミックスアンドマッチの手法をスーツに取り入れたものといえる。
ファッションの着こなしとしてジャケット+パンツなどの上下を一般的に異なるもので組み合わせる場合、色のトーン、模様・柄、素材感でコーディネートすると落ち着く。これは、上下のスーツに限ったことではなく、ネクタイにひと色、シャツのひと色、など、コーディネートするというのは、基本的には、ファッションに統一性をもたせることと考えて良く、そういう意味でミックスドスーツは、セパレートの上下服をきちんと着こなすセオリーにのっとって組み合わせるバランスの良いコーディネートといえる。
ミックスアンドマッチは異なる性格のものを、ミックス(組み合わせて)、マッチ(調和)させる、着こなしのテクニックのこと。

三つ揃い

三つ揃い(みつぞろい)とはスリーピースのこと。

ラウンジスーツ

ラウンジスーツとは主にイギリスにおいて使われる言葉で、背広全般を意味する。もともとは、現代の原型として1820年ごろ、にあらわれた男子服のことでラウンジジャケット、3つ揃い感のラウンジスーツへと徐々に変化して、現代の型に定着した。
もとは日常的に着用するものとして、フロックコートに対して着られるようになったもの。非公式な場で着用され、ジャケット・パンツ・ベストの組み合わせはビジネススーツの原形。
上着がゆったりしていて、気楽に着られるところから、アメリカではラウンジジャケットを、サックコート、背広全般をサックスーツと呼んでいる。これは「袋のようにゆったりした上着」の意味を含んでいる。
サックスーツのスタイルはアメリカンスタイルを代表するシルエット。

リアルスーツ

リアルスーツ(real suit)とは本格的なテーラードスーツのこと。本物のスーツという意味で本来の共地使いのスーツのことを指す。カジュアルスーツが一般的になるにしたがってこのような呼び方が出てきたとされる。

リクルートスーツ

リクルートスーツ(recruit suit)とは就職活動の際着用するスーツのことで、リクルートとは新入社員の意味。和製英語で、無難であることが求められることから黒や紺の色使いで、シンプルなデザインである。1970年代末から使用されるようになった。

レーシングスーツ

レーシングスーツ(racing suit)とはカーレースやスキーなどあらゆるスピード競技用に着用されるスーツのことで、機能性を備えたジッパー、ポケット、ロゴマークなどがあるのが特徴。競技によって素材なども異なってくる。

レジャースーツ

レジャースーツとは非常にリラックスした雰囲気を持つニュースーツの名称。ジーンズ的なイージーケア性とテーラードスーツのきちんとした味をあわせもつところに特徴がある。
ジーンズファッションの後に生まれた新しいファッションで、かつてのノンスーツに比べてはるかに新鮮で影響力も大きい。代表的なデザインとしてはサファリスーツ、シャツスタイルドスーツ(シャツカラーの付いたジャケットとスラックス)、ブルゾンスーツ、ジーンズスーツなどがある。ここでのレジャーは「安らぎ」の意味に使われる。
また、近年ビジネスのドレスコードも柔軟になり、またクールビズ、ウォームビズなどの影響から、夏にはコットンやリネン、秋冬にはフラノやツイードなど、レジャースーツに多用されるカジュアル素材を使ったビジネス仕様のテーラードスーツがビジネスのシーンでも着用されることが多くなってきた。
中にはシルエット的にも、衿付きの背広の範疇には入るものの、肩パッド、付属、芯地などを極力省いた、アンコン仕立てスーツなども見かける。ただ、色柄的にはコットンスーツ、リネンスーツでも濃いめな濃紺、チャコールグレー、黒などが好まれる傾向にある。

コート

コートとは最も外側に着る上衣の総称。日本では「外套(がいとう)」とも言われる。元々は防寒や防水、防汚等の機能を持ち、その目的に応じて種類は多様。
それ以外に装飾性を目的にしたデザインも多い。また、素材やレングス(丈)も多種多様。一般的には上衣の外側に着るものを指すが、古くはジャケット全般的をコートと呼んでいた。モーニングコート等は、その名残りである。最近はコートは外套と位置づけられる事が多い。

合いコート

シーズン端境期に着るコート。春にはスプリングコート、秋にはオータムコート等がある。

アウターコート

アウターコートとはコートと同じ意味だが、特に外側に着ることを強調して使う。 コートにはジャケットの意味が含まれるところから、こうした用語が生まれた。

アフガンコート

アフガンコートとはアフガニスタンの民族衣装の1種。毛足の長い粗いタッチの毛皮と、黄、赤、青などカラフルなアフガン模様を特徴としたロングコート。
毛皮は裏地に張られ表まであらわれている。しゃれた防寒コートとしては最適だが、独特の臭いが気になる。同じデザインでアフガンベストもある。フォークロアファションのひとつとして人気がありアフガニスタンコートとも呼ばれる。

アフタヌーンコート

アフタヌーンドレスの上に着るコート。
毛皮や上質な毛織物、絹織物を用いたドレッシーなロング丈のものが多い。

アラスカンコート

アラスカ産オットセイのファー(シールスキン)で作られた防寒コート。
また、それに似た起毛素材で作られたものを言う。ファートリミング付きのフードが特徴で、ファーのフード付きコートを総称する場合が多い。ファートリムドコートの一種。

アルスターコート

アルスターカラーの衿型を特徴としたダブルブレストで、共地のベルトを付けた丈長コート。
取り外しの出来るフードやケープ付きが特徴。単にアルスターとも言う。アルスターは北アイルランドの地名。そこで織られた肉厚紡毛織物を指し、これを使ったコートが旅行着として愛用された。アルスターコートに軽快感を持たせたコートをアルスターレット、アメリカントレンチと呼ぶ。

アルスターレット

アルスターコートとはトレンチコートの原型ともされた、ダブルブレストでベルト付きとした丈の長いコート。
本格的なそれは”アルスター”と呼ばれる厚手のコート地が使われる。このコートの衿型を、特に”アルスターカラー”といい、他にも多く使われている。

イブニングコート

男性の夜間の正礼装とされるスワローテールコートの別称。
日本では「燕尾服」として知られる。上着は後ろの裾丈が膝下まであり、先端がツバメの尾のように二つに切り込まれている。
黒の上下に白のベストが基本で、ラペルには排絹(はいけん)が、パンツにも側章が施されている。ネクタイは白が原則で、白の手袋と黒のシルクハットを添える。
最も格調の高い礼服であるが、現在では着用の機会が少ない。ノーベル賞の受賞者は、これの着用が義務付けられているほか、クラシックコンサートの指揮者等も着ることが多い。
タキシードは、この礼服の変形とされる。テールコート、イブニングドレスコートとも呼ばれる。

イブリングラップ

イブニングドレスの上に着る外衣の総称。
イブニングコートと区別にて、袖無しのショールタイプのもの等を指す。アクセサリー感覚の装飾効果もある。

インバネス

ケープとマントを重ねたコートの一種。袖の無い形で丈が長く、外側に短いケープ状のものが付く。
この名称はスコットランドのインバネス港が由来である。シャーロックホームズのスタイルとしても有名。日本では19世紀末頃から取り入れられ、「鳶(とんび)、二重回し」と呼ばれる。

ウエイトコート

19世紀末に登場したポロ用のウォームアップウェア。
競技者が待ち時間に着用した、着丈の長い厚手のウールコート。20世紀になってアメリカでポロコートが定着した。

ウォッチコート

ウォッチは「見張りする、監視する」の意。水兵が艦橋で着用していたことから名づけられた。
ブリッジコートとも呼ばれるのは「ブリッジ(艦橋)」が由来。ピーコートの別称。

エポレットコート

肩に肩章を付けたコート。

オイルスキン

オイルスキンとは油布でできたレインコート。単に油布、防水布も意味する。

オーバーコート

防寒用コートの総称。
もともとは厚手の紡毛ウール地等で作られたが、最近は、綿コートに対してウールコートを総称して呼ぶことが多い。
ちなみに薄手のものはトップコートと呼んで区別する。18世紀には男性用に限られ、こう呼ばれた。

オペラクローク

クロークは「袖無し外套(がいとう)」の意。
オペラ観劇の時などに羽織るケープ状の上衣で、オペララップとも言う

オールウェザーコート

全天候型コートのことで、晴雨兼用の機能を持つコートの総称。
ウェザーコートとも言われる。多くは防水加工されたコットン地や合繊素材等で作られている。

オールシーズンコート

全ての季節に対応できるコート。春や秋にはダスターコートまたはレインコートとして、また、冬季には取り外しできる裏地(ライナー)を付け、防寒性を持たせるようにしたものが多い。スリーシーズンコートとも言う。

オールパーパスコート

パーパスは「目的」の意。どんな目的にも着用でき、しかも季節を問わず着用出来るコートを言う。

カクテルコート

カクテルドレスの上に着用するコート。
防寒用というよりは、装飾的な目的で用いられる為、使用する素材も毛皮やシルク地といった高級素材が多い。
ウール地は比較的少ないが、衿や袖口に毛皮をあしらったデザインのものもある。ドレスと共地でアンサンブルになったものは、着用したままでパーティー会場に入ることも出来る。

ガグール

もともとは「(修道僧の)頭巾付き袖無し外套、(修道会員の)目明き頭巾、軍隊の防毒マスク」の意で、頭部にぴったりしたフード、あるいはそういったフードの付いたコートを指す。
また、たっぷりしたオフタートルのネック部分で頭部を包み、フードをかぶるようなデザインにしたものもこう呼ばれる。起源は、11~13世紀のフランスで、農民が着用していた半円形のフード付きケープとされる。

カーコート

もともとはロードスター(オープンカー)用に考案されたもの。
現在では様々な用途に着ることの出来る、指先丈のスポーティーなコートを総称する。特定のデザインは無い。

カジュアルコート

カジュアルは「気軽な」の意で、気軽に着られるコートの総称。
一般的にはショート丈が多く、ジャケット、ブルゾン全般を指す場合もある。

ガーズマンコート

イギリスの近衛歩兵第一連隊が着用したダブルブレストで共地ベルト付きのオーバーコート。
アルスターカラーと背部のインバーテッドプリーツ(内ひだ)、バックベルトのディテールが特徴。肉厚のウール地を用い、色はキャメルが一般的である。ガーズコートとも言う。

カッタウェー

カッタウェー(cutaway)とは、昼間の礼装のことである。上着の裾を腰の辺りから前に向かって斜めに裁ち、後ろにベンツと釦がある。ピークトラペルで、前を一つ釦留めにしている。
9世紀の乗馬コートに由来している。フロックコートの前をカットした、モーニングコートの別名である。

カッタウェーコート

カッタウェーは「前裾を斜めに断ち落とす」の意。
前端が斜めにカットされ、後ろ身頃にテールを残したコート。男性用のモーニングコートや乗馬服などに見られる。

カーディガンコート

カーディガンの様に釦留めで前が打ち合わせになっているコート。
ネックラインはラウンドネックやVネックになっており、衿は付けないのが特徴。

カナディアンコート

カナダの林業作業の時に着るコートの総称。
ダブルブレストのショート丈で、衿にボアを付け、大きめのパッチポケットと、ウエストベルトが特徴。

カバートコート

混紡の綾織のカバートクロスで作られたショート丈のコート
ウエストを軽く絞り、衿はノッチドラペル、前身頃はフライフロント、裏地無しが基本。上衿や袖口、裾にステッチが入っているものが多い。

カバンコート

カバンは仏語で「フード付きの外套」の意。
厚手の布地を使った丈夫なショートコート。フランスでは消防服を指すこともある。

カメラマンコート

カメラマンが着用する防寒、防水、防汚等の機能を持つコート。
丈夫な綿ギャバジンを用い、カメラ備品が収められるよう、沢山のポケットを持つ。フード付きで、フライフロントが特徴。丈はスリークウォーターレングス。

キモノコート

着物特有のディテールや柄をデザインに取り入れたコート。
ドロップショルダーになった着物風の袖や前開きの打ち合わせスタイル、裾まわしのきもの柄使い、直線断ちなど、アイデアは多彩。

キャビンコート

キャビンは「船室」の意。
船内で着るコートのことで、ピーコートの衿やポケットに似たデザインが特徴。

キルティングコート

二枚の布の間に綿(わた)や羽毛等をはさみ、表からステッチで押さえて立体感を表現したコート。
ボーダー状あるいはブロック状にステッチをかけ、装飾と保温を兼ね揃えているのが特徴である。羽毛を使用したダウンコートが代表的。

グランドコート

ネイティブアメリカンが着ていた貫頭衣がルーツで、ブランケットの外套(がいとう)を五大湖周辺の白人開拓者が着るようになった。
粗い格子柄の布地で作られた、丈の短い上着やコートで、マッキーノズが正式な名称。

グレートコート

グレートは「偉大な」の意で、毛皮のライナーを付けた、重厚で豪華な防寒コートの総称。

クーリーコート

クーリー(苦力)は「中国の労働者」の意で、彼らが着ていたコートに由来する。
袖ぐりやシルエットは直線的で、腰丈のボックス型。衿は立ち衿が多い。

クローク

袖無しのケープ。着た時の形が釣鐘に似ていることから、釣鐘を指すラテン語の「クロッカ」が由来と言われる。

ケープ

肩を覆う袖無し外套(がいとう)のことで、デザインや丈は多様。
発祥は紀元前にさかのぼる。日本のカッパ(合羽)は、ケープのポルトガル語のカッパが語源。

ケープコート

ケープ付きのコート。ケープは取り外し出来るものとつくり付けのものとがある。
ケープ状で袖の付いたコート状のものなどもこの名で呼ばれる。

ケープレット

肩までの短いケープで、装飾的な目的で着られる。ショルダーケープとも言う。

コサックコート

コサックは黒海の北方辺境地帯に住むトルコ系農耕民で、帝政ロシア時代に騎兵隊として活躍した部族を言う。
彼らの民族服にヒントを得て作られたコートで、衿、袖口、裾のファートリミングや前明きを留める組紐飾りが特徴である。

コーチマンズコート

19世紀のイギリスのコーチマン(馬車を操る御者)が着ていたのが由来。
ダブルブレストでウエストが絞られ、裾はフレアライン、大きなラペルが特徴。

コンボイコート

コンボイは「護衛船団」の意で、船乗りが着るコート。ダッフルコート、トッグルコートとも言う。

サイクルコート

自転車用のレインコート。マントの様なフードが付き、脚部が濡れない様、裾の部分でまちをつなぎ、機能性と防水性を兼ね揃えている事が特徴。

サーキュラーケープ

サーキュラーは「丸い、円」の意で、布を円形に裁断してフレアを入れ、中央に衿ぐりをとったフレアを言う。
19世紀末に丈の長いタイプが流行した。

サーコート

ジャンパーとショートコートの中間的なカジュアルなコート。
フロントをファスナー留めにしてベルトを付けたものなどがある。ロングジャンパーとも呼ばれる。

ササールコート

幅広のテーラーカラーとエポーレット(肩章)、ガンパッチ、(釦付き肩当て)、ウエストベルトが特徴の比較的オーソドックスなダスターコート。
ササールはイタリアの女優ジャクリーヌササールのことで、1959年に日本で封切られた主演映画「三月生まれ」の中でダスターコートを着用したのがヒントになり、日本のメーカーによって名づけられた。60年頃に大流行している。

サバーバンコート

サバーバンは「郊外の」の意。
アメリカの郊外居住者が通勤用に着たのが始まりで、車に乗りやすいように丈は短めで、袖はラグランスリーブやセミラグランスリーブが多い。素材はツイードが一般的。

サポーターコート

サポーターは「サッカーファン」の意。
サッカー等の観戦用コートで、デザインはベンチウォーマーの一種。フード付きのロング丈が多く、表地は合繊素材が使われ、中綿仕様が多い。

シアコート

シアは「薄い、透明な」の意。
オーガンジーやシフォン、ボイル、紗、絽の様な、透明感のある薄手素材で作った装飾用のコートを言う。
サマーコートとして用いられることが多く、ほとんどの場合、下に着用するドレスの美しさを生かすためにデザインをシンプルにし、サイズもややゆったりめに作られる。

シアリングコート

シアリングは「毛を刈り込んだ羊毛」の意。
羊(シープスキン)の一枚革(裏毛付き)コートで、腰丈のショートコートが多く、日本ではランチコートと呼ばれる。防寒性に極めて優れている。

シェープドコート

シェープドは「形づくる」の意で、全体的に身体のラインに沿わせて形づくられたコートの総称。
縦に切り替え線を入れ、裾広がりにしたプリンセスコートもこれに属する。

ジュストコール

「身体にぴったりと合った」の意で、17~18世紀のヨーロッパに見られた男性用のロング丈の上衣。
ウエストを絞ったシルエットが特徴で、袖には装飾的な折り返しがある。ぴったりとしたキュロットとウエストコート(胴着)に合わせられた。

シューティングコート

狩猟用のコート。右肩にガンパッチ(銃床を受ける補強布)が付いたデザインが代表的。
素材はツイード、コーデュロイ等が用いられる。シューティングジャケット、ハンティングジャケット等とも呼ばれる。

シュノーケルコート

シュノーケルは独語で「潜水艦の吸・排気管」の意。
排気装置を備えた消防自動車の事も指し、消防服に似たフード付きのハーフコートを言う。 新しい化学繊維等で作られ、ヘビーデューティーウェアの一つとして好まれている。別にシュノーケルパーカとも言う。

ショートコート

短い丈のコート。フィンガーチップレングス(指先丈)やスリークォーターレングス(4分の3丈)といったものから、尻を軽く覆うくらいのヒップレングスと呼ばれるものまでが含まれる。ハーフコートとほとんど同じで、カジュアル感を持つものが多い。

ショートトレンチ

トレンチコートの丈を短くしたもの。
また、肩章とベルトの付いた薄手の素材を使ったショートコートを指す場合もある。

ジレコート

ジレは仏語で「ベスト」の意。袖が無く、丈の長いコートを言う。

スイングコート

スイングは「揺れる」の意。ウエストから裾にかけてフレアを入れ、身体の動きとともに軽やかに揺れるコートを言う。

スキニーコート

スキニーは「痩せこけた」の意で、細身のコートの総称。

スタジアムコート

スタジアム(競技場)でスポーツ観戦に着用されるショートコート。
素材には防水性のある合繊素材等を用い、衿や裏にボアやニット等を使ったデザインが多い。スペクテーターコートとも言う。

ステンカラーコート

日本だけの呼称で、正式にはバルマカーンコート。
衿腰が高く、前の明き止まりを低くしたのが特徴で、男性のビジネスコート等に多く見られる。一般的に綿のギャバジンを用いた、膝丈で比翼仕立て(フライフロント)、ラグランスリーブが多い。

ストームコート

ストームは「嵐」の意。荒天にも耐えられるように、防水・防寒性を施した丈夫なコートを言う。
防水・撥水素材を使い、前明きやポケット口等には防水用のフラップが付いている。

ストレートケープ

肩から真直ぐ(ストレート)に下がるケープ。

ストレートコート

ストレートラインのコートのことで、脇線を直線裁ちにして胴囲をゆったりさせたものを言う。
ウールのダブルブレストコートに多く見られる。

スパニッシュケープ

スペイン風のケープ。中世のスペインで着用されたものが、ヨーロッパに伝わったもの。闘牛士が身に着けるケープを呼ぶこともある。

スパニッシュコート

タブ(持ち出し)の付いた大きなリブ編みの衿を持つショートコート。
コーデュロイが用いられる事が多く、スペクテーターコート(スポーツ観戦着)の一つ。アメリカではゴールコートと呼ばれる。

スプリットスリーブドコート

ラグランスリーブとセットインスリーブを合わせたもの。
肩から袖先までの中央に縫い目があり、前から見るとセットインスリーブ、後ろからはラグランスリーブに見えるコートの総称。ラグランスリーブの機能性を持たせながら、ややドレッシーに見えるのが特徴である。

スプリングコート

「春用コート」の意で、春と明きに着る薄手素材の軽いコートを指す。
秋用には季節の合間に用いられることから合いコートとも呼ばれる。なお、これらは日本独自の名称で、、海外ではトップコートと呼ばれる。

スペクテーターコート

スペクテーターコート(spectator coat)とはスポーツを観戦用のコートのこと。
スペクテーターとはスポーツを観戦する人のことで裏地にアクリルボアを配しチームロゴを入れているものも多い。スタジアムコート、ベンチウォーマーとも呼ばれる。

スモックコート

スモックは、服の汚れを防ぐために事務服や子供の遊び着として着用する上っ張りのことで、それをデザインしたコートを言う。
ヨークの切り替えにギャザーやタックを入れ、ゆったりさせたシルエットが特徴。バックベルトを付けたものもある。

スリーシーズンコート

スリーシーズンコート(three season coat)とは秋、冬、春にかけ三つの季節を通して着られるコートのこと。
裏地を取り外して寒暖を調整できるデタッチドコートが多い。表の素材には綿ギャバジンやバーバリーなど、シーズン性のない素材が使われ、裏地にはウール、キルティング、ボア、毛皮などの保温性のある素材が使われる事が多い。オールシーズンコートとも呼ばれる。

スリッカー

「すべすべした、滑らかな」の意。
レインウェアの一種で、防水性のラッカークロスやエナメルクロス等で作られた防水用コートを言う。
前明きが釦留めかスナップ留めで、立ち衿のコート。もともとは19世紀初頭に水夫が着用していた、ゴム引き地やオイルクロス製の、足首まである丈長のコートで、オイルスリッカーとも呼ばれた。アメリカでは黄色を多用したことから、イエロースリッカーと言う。

スワガーコート

スワガーは「いばって歩く、見せびらかす」の意。
肩を少しいからせ、裾にはフレアを入れてやや裾広がりにした七分丈のコートを言う。1930年代に女性向けスポーツ用コートとして流行した。

スワローテールコート

日本語では燕尾服(えんびふく)。
上衣の前身頃は腰丈だが、後身頃は膝まで垂れ、その裾先が二つに割れているデザインが、ツバメの尾に似ていることに由来する。 ほかにドレスコート、テールス、イブニングコートとも呼ばれる。
素材はドスキン、カシミア等が用いられ、衿はピークドラペルに排絹(はいけん)を用いたものが一般的。男性の夜間の正礼装とされ、ホワイトタイ(白の蝶タイ)に白のベストが原則。ホワイトタイといえば燕尾服の代名詞である。

セーターコート

ニットのコートを指す。デザインは、カーディガン風の衿無しタイプや衿付きのジャケット風のもの、フード付き、ジップアップタイプ等多様。
丈もショートから七分丈、ロングまで幅広い。一般的には、編み込み模様の入ったローゲージニットのものがよく見られる。

セミステンカラーコート

セミステンカラーコートとはステンカラーの衿腰を低くしたか、まったく省略した衿(セミステンカラー)を特徴としたコートの総称。

タイロッケン

釦が無く、ベルトを締めて着るラップ式のダブルブレストコート。
もとはイギリスのバーバリー社のオリジナルデザインで、綿やウールのギャバジン作られることが多い。トレンチコートは、これが進化したものとも言われる。

ダスターコート

ダスターは「埃やちりをはらうもの」の意で、春先に着るほこりよけコートを言う。

ダッフルコート

ダッフルは起毛した厚手のウール素材の事で、ベルギーのアントワープ近くの地名に由来する。
この素材を使ったフード付きショートコートを言う。トグル釦(留め木)を細いロープにかけるのが元来のスタイル。
もとは北欧の漁民が着ていたものを、第二次世界大戦でイギリス海軍が採用し、それから一般化した。

チェスターフィールド

イギリスのチェスターフィールド伯爵が最初に着たと言われるオーバーコート。
最もフォーマルなコートとされる。シングルブレスト、上衿にベルベットをかぶせたピークドラペル、フライフロントの打ち合わせ、胸にウェルテッドポケット、両脇にフラップポケットのディテールが本格的。
シルエットはウエストを絞り、全体的にはスリムである。生地はカシミア、ベロア等の柔らかい素材が使われる。シングルの他、ダブルブレストもある。

チャビーコート

チャビーは「まるまる太った、もこもこした」の意。
そのような外観のコートを総称して言う。素材には毛足の長いフォックスのファーやボア等を用いることが多い。

チュニックコート

腰丈の短コートの総称。

チロリアンコート

チロリアンは、オーストリア西部からイタリア北部にかけて位置するチロル地方特有のスタイルや民族のこと。
衿に大きめの毛皮やフェイクファー(人造毛皮)をあしらった防寒コートを言う。
丈は膝丈がポピュラーで、使用する素材や仕様によってカジュアルにも、エレガントにも演出できる。

ディタッチャブルコート

ディタッチャブルは「取り外しの出来る」の意で、防寒用の裏地が取り外し出来るコートを言う。日本ではライナーコートと呼ばれる。

テディーベアコート

テディーベアは「ぬいぐるみの熊」の意で、外観がもこもことして縫いぐるみのようなコートを言う。
女性や子供向けの防寒用が多く、パイルやボア状のフェイクファー素材がよく用いられる。テディーは、アメリカの第26代大統領セオドアルーズベルト(1858~1919年)の愛称。
狩猟中に小熊を見逃してやったという逸話から、縫いぐるみの熊をテディーベアと呼ぶようになった。

テニスラッパー

テニスラッパーとはテニス競技の前後に羽織ったシンプルなダブルブレストコートのこと。

デュアルコート

デュアルは「二つの、二重の」の意で、リバーシブルコートと同義。
二重織り素材を使ったり2種類の素材を張り合わせたりして作られたコート。

テントコート

テントを張ったように、肩から裾にかけてゆるやかに広がったフレア入りのコート。
伝統的なラインのコートとして、女性用によく見られる。ピラミッドコートと同義。

トウコート

トウは「(船を)綱で引く」の意で、ダッフルコート、トッグルコートの別名。

ドゥドゥヌ

仏語で「ぽってり、むっちりとした魅力」の意。
転じて、柔らかくふんわりと軽いキルティング素材のコートやジャケットを指す。キルティングした生地の中には綿の他、ダウンもよく使われ、ダウンジャケット、キルティングコートと言われる。

トグルコート

トグルコート(toggle coat)とはトグル(またはトッグル→棒状の留め木)を用いて前を留めるカジュアルなコートのこと。ダッフルコートが代表的。
トグル(トッグル)の付いたコートを総称することもある。トウコート、コンボイコート、単にダッファーと呼ばれる事もある。

トッパーコート

上半身(トップ)を覆う程度の女性用のショートコートの総称。
ウエストからヒップまでの丈で、裾広がりにややフレアの入ったものが多い。丈長のオーバーコートに比べると手軽で、学生の防寒用コートとして制服に採用される場合もある。略してトッパーと呼ばれる。

トップコート

春秋向けに薄手素材でつくられる軽快なイメージのコートの総称。
日本では一般的にスプリングコート、合いコートと称され、防寒を目的とする厚手のオーバーコートと区別されている。

ドームコート

ドームは、ヨーロッパの寺院などに見られる半球形の屋根や天井のこと。肩から胸にかけてのシルエットがそれに似たコートで、広い肩幅と丸みのあるラインが特徴。
はさばったイメージがあることから、バルキーコートとも言う。1950年代のクリスチャンディオールのコレクションに多く登場した。

トラペーズコート

トラペーズは仏語で「台形」の意。肩巾が狭く、やや裾広がりになった、台形のようなシルエットのコートを言う。
ちなみにトラペーズラインは、1958年、ディオールの後継者になったイブサンローランが最初のコレクションで発表した。

ドレスコート

ドレスコート(dress coat)とは燕尾服のこと。スワローテールコートと同義。

ドレスオーバーコート

礼装用コートの総称。
特に男性用のチェスターフィールド、ドレスケープ、マント、ドレスインバネス等を言う。一般にはフォーマルコートと呼ばれる。

トレンチコート

トレンチは「塹壕」の意で、イギリス軍が塹壕で着用した防水コートが始まり。
素材は綿ギャバジンが多く、デザインは両肩に付いたエポーレット(肩章)、ストームフラップ(防風亜雨用のあて布)、背中のケープバック(ケープの様なあて布)、チンストラップ(雨除けの顎布)、ベルトについたDカン(水筒等を吊るす金属の輪)、ダブルブレストの打ち合わせ等が特徴である。
素材は綿だけでなく、ウール素材も使われる。男性用としても女性用としても定着している。

ドンキーコート

カジュアルコートの一種で、リブ編みのショールカラーが特徴。丈はフィンガーチップレングスが多い。
素材は綿ギャバジンが用いられ、ラグランスリーブ、ポケット、レザー釦等が代表的なディテールである。

ニッテッドコート

ニッテッドは「編んだ」の意で、手編みあるいは機械編みのニット地で作られたコートの総称。
ニットが本来もつ保温性を生かしたコートで、編地も様々。重くならない様、丈は短めのものが多い。

ネルソンコート

イギリスのネルソン監督が着たコートをヒントにした、女性用ダブルブレストのテーラードカラーのショートコート。
もともとはブランドであったものが一般化した。

バイカーコート

バイカーは「モーターライダー」の意で、オートバイに乗る為に考えられたコート。
ダブルブレストのジッパー使いなど革製のショートコートが代表的である。

パイロットコート

ピーコートの別称。パイロットは「水先案内人」の意で、水兵が着るコートが由来。

ハウスコート

家事をするときの仕事着として、あるいは家でくつろぐ時や来客時の室内着として着用するコートドレス型の服を言う。
もともとは、女主人が客に接する時に着た豪華な接待服を指した。現在は綿や合繊など実用性の高い素材が多く、デザインもシンプル。特に、上質素材で作られたものをホステスガウンやドレッシングガウンと呼ぶこともある。
また、女性用のハウスコートをブランチコートとも言う。

バチェラーズガウン

バチェラーは「学士」の意で、大学の卒業式で学士が着用する黒い服を言う。
アカデミックコスチュームとも言う。

ハッキングコート

ハックは「馬に乗っていく」の意で、乗馬用ジャケットの要素を取り入れたシングルブレストのコートを指す。
斜めに付けられたフラップポケットや、センターベント、カッタウェーフロント等が特徴である。

バットウイングラップ

幅広い袖をカフスで絞ったケープ。広げるとコウモリの翼(バットウイング)の様になるのが由来。

ハッピコート

日本の法被(ハッピ)にヒントを得た尻丈のコート。

ハドソンベイコート

カナダのハドソン湾(ベイ)で着られていた艦上用コート。
厚手のブランケット(紡毛織物)を用いたダブルブレストの六つ釦、ベルト付きのショートコート。白またはオフホワイトが多く、フロントボトムと袖口に2~3本(赤、黄、緑)のストライプが入っているのが特徴である。

パネルコート

パネルは「羽目板」「スカート等に飾りとして縫い込む縦長の布切れ」の意。
脇に長いスリットが入ったコートのことで、長く垂れ下がった身頃が一枚の大きなパネルに見えることからこの呼び名が付いた。

バーバリー

ロンドンのバーバリー社でトーマスバーバリーによって開発されたレインコートの商標名。
そこで使われた防水加工の綿ギャバジン(綿綾織物)は同社が発明したもの。

ハーフコート

着丈がウエストとヒップの中間くらいの5分丈コートを指す。また、フィンガーチップ丈やスリークォーター(3/4)丈のコートを含めて総称する場合もある。

パルトー

外套(トッパー)の総称。
現在は、裾広がりになった女性用ハーフコートを指すことが多いが、もとは14世紀頃に着用されていた男性用外套が始まり。
19世紀後半には、女性用下着として胴がややくびれた装飾的なものが登場し、以降、様々なデザインの遍歴をたどってきた。

バルマカーン

スコットランドの地名バルマカーンに由来する。男性用のコートの代表的なデザイン。
衿はステンカラーの第一釦をはずした形で、ラグランスリーブ、裾広がりのゆったりしたシルエットが特徴。ツイードやギャバジンが多い。ステンカラーコートとも言う。

バルーンコート

バルーンは「風船、気球」の意で、丸く膨らんだシルエットを特徴とする。

バレルコート

バレルは「樽」の意で、胴の真ん中が膨らんでいるために全体のシルエットが樽に似たコートを言う。
肩から胸にかけて全体的に丸くふくらみがあり、裾に向かって丸みを保ちながらつぼまっているのが特徴。

バローコート

乳児の防寒用「おくるみ」を言う。
現在では、サテン等の肌さわりの良い布地の間に真綿や羽毛等を入れたキルティング素材やジャージー素材が多い。略して単にバローとも言う。

ハンディーコート

ハンディーは「手近な、便利な、使いやすい」の意。携帯を目的として作られた簡便なジャンパー型雨衣のことで、小さく折りたため、ポケットにも入るのが特徴。
旅行や通勤等の用途に開発されたもので、売り出されたときの商品名がそのまま一般化した。素材は薄手の化合繊やビニール素材が使われ、なかには通気性を考慮して、後身頃にメッシュを部分使いしたものもある。ポケッタブルコートとも呼ばれる。

ピーコート

オランダ語の「ピー・エッケル」(粗い羅紗の上着)が語源。
それがイギリス海軍の艦上用コートとして一般化した。ダブルブレスト型のショートコートで、大きなリーファーカラーとマフポケット、錨をあしらった大きな釦が特徴。
現在では主にネイビーブルーのメルトン地が使われている。ブリッジコートの別名があり、ピージャケット、パイロットジャケット、パイロットコートとも呼ばれる。

ビッグコート

1.たっぷりとした身頃や袖に、顔を覆うほどの大きな衿、大きなカフ、大きなポケットを付けたコート。1970年代に流行した。
2.ロング丈で、たっぷりした身頃のコートを言うこともある。

ピラミッドコート

ピラミッド型シルエットのコートで、肩幅が狭く、裾に向かって大きく広がっているのが特徴。
袖はドルマンスリーブで、ナチュラルな肩線を出したものが多い。テントコートと同義。

ピンクコート

キツネ狩り等のときに着用する深紅色の狩猟服。
自然の中でよく目立つ色を使用する事によって、誤って人に向けて発砲しないように考えられた。特徴としてはピークラペル、黒ベルベット使いの衿等があげられる。仏語のアピルージュと同義。

ファーコート

表に全て毛皮(ファー)を使用したコートの総称。
防寒用素材の持ち味を生かして装飾的に用いられる。ただし、動物愛護家による反対運動が起こる等社会問題視されることもある。
主な素材としては、ミンク(いたちの一種)やセーブル(黒てん)、フォックス(キツネ)といったゴージャス感を演出する高級素材の他に、最近ではラビット(ウサギ)、ムートン(羊)、ラクーン(アライグマ)など、ヤング向けにカジュアルで手頃な価格の素材のものも増えている。
また、加工技術の進歩によって、カラードファーやニッティングファー等、ファー素材を駆使してデザイン性を追及したものも多く見られる。

ファートリムドコート

トリムは「縁取り、縁飾りを付ける」の意。
毛皮(ファー)を装飾として衿や袖口、裾などに部分使いしたコートの総称。

ファーラインドオーバーコート

裏に毛皮(ファー)を用いたコートの総称。
防寒目的のものと、装飾目的のものがあり、歴史的に見ると、裏に毛皮を使う手法は、表に用いるより以前に登場している。現在は、取り外しのできるファーライニングとして採用されることも多く、表地の素材やデザインも多彩である。

ファンシーコート

ファンシーは「意匠を凝らした、奇をてらった」の意。
シンプルでオーソドックスなデザインのコートに対して、凝ったデザインや装飾的なコートを指す。糸使いから衿や袖口、釦等にもデザイン変化を求めたもので、装飾的なデザインを得意とするブランドにはよく見られる。

フィールドコート

アメリカ陸軍のM-65型を模してつくられたハーフコート。
耐水、耐風に富んだコットンを使用し、マジックテープで絞る袖口、ドローストリングの裾等機能的なディテールが特徴。

フーデッドコート

フード付きコートの総称。フードを取り外せるタイプのものも多い。

ブランケットコート

ブランケットは毛布の事で、毛布に使用されるような厚手のウールを用いたコートを言う。
直線断ちか、ややカーブさせただけの単純な仕様のデザインが多く、フード付きやポンチョ型等がある。柄は大柄のチェックやストライプの他、無地のものも見られる。

ブランチコート

ブランチは「昼食を兼ねた遅い朝食」の意で、女性用のハウスコートを言う。

プリス

ラテン語のペルリス(獣皮)を語源とする丈長のコートのことで、毛皮を裏打ちしたり、トリミングを施したりしたものを指す。
特に、フランスでは毛皮の付いたオーバーコートだけでなく、綿入れのコートもこう呼ぶ。
12~15世紀頃に最もよく着用され、13世紀には前明きで非常に丈の長い袖の付いた女性用や、頭巾付きの男性用などがあった。その後、丈やシルエットの遍歴を経て、現在は女性や子供向けのマントを言う。英語ではペリースと発音する。

ブリティッシュウォーマー

第一次世界大戦時にイギリス陸軍士官が着用した防寒用コートが発端で、それが一般化した。
アルスターカラー、ダブルブレスト、エポーレットのディテールが特徴で、七分丈が一般的。素材はメルトン等厚手のウールが用いられ、色はダークブルーが多い。

プリンスアルバート

フロックコートのことで、アメリカでの呼称。
イギリスのエドワード皇太子(19世紀)が渡米したときに着用したことが由来。

プリンスコート

スタンドカラーのジャケットで、インドの伝統服。

プリンセスコート

プリンセスラインのコートで、イギリス国王エドワード7世(1841~1910年)の皇后、アレクサンドラ皇太子妃(プリンセス)時代に愛用したことからきた呼び名
19世紀には男性用コートの代表として着用されていた。ウエストに切り替え線がなく、縦に数枚のはぎ合わせによって、上半身をフィットさせ、裾広がりにしたコート。ベルトをしないで着用出来る。

フロックコート

かつての昼間の正礼服。ダブルブレストの六つ釦か八つ釦で膝上丈が特徴。
黒が基本でベストも衿付きのダブルブレストの六つ釦か八つ釦。これに黒白の縞(コール)パンツを合わせる。
19~20世紀初頭までは昼間の正礼装として着用されたが、モーニングコートの台頭によって、今日では着用されることがなくなった。アメリカではプリンスアルバートと呼ばれる。

ペインターズコート

画家が仕事着として着る上着。スモック?に似ていて、胸にはヨークが施され、ギャザーを入れたシルエットが一般的。丈は膝下丈が多い。

ベストコート

ベスト風コートのことで、袖がなく、丈が長いのが特徴。ロングベスト、ジレコートと同義。

ヘビーコート

重量感のある、厚手のコートの総称。
アメリカでは、布地の重量によって、合いコートとオーバーコートに区別される。

ベルテッドコート

ベルト付きコートの総称。トレンチコートやタイロッケンが代表的だが、それ以外にもステンカラーコートにベルトを配したもの、シングルベルテッドコートと呼ばれるものなど種類は多い。

ボアコート

ボアはアマゾンの大蛇のことで、そこから、蛇のように長い毛皮や羽毛の女性用衿巻きを言う。
同様に、衿回りに毛皮や羽毛を配したコートをボアコートと呼ぶ。

ポケッタブルコート

小さくたたんで携帯できるレインコート。軽くてかさばらず、しわになりにくいのが特徴。
素材は薄手の化合繊等が用いられる。ポケットに入れて携帯できることから、この名が付いた。

ボックスコート

ボックス(箱)のシルエットを特徴としたコートの総称。
1930年代に流行したデザインで、全体が四角で脛まである長い丈が特徴。衿はバルカラーかノッチドラペルが基本。肩は角ばったセットインスリーブで、ウエストの絞りが無いストレートなシルエットが多い。
最近は、ディテールにとらわれず、絞りの無いシルエットのコートをこう呼ぶ。

ボディーコート

身体にぴったりフィットさせて、ボディーラインをはっきりと見せるコート。

ポロコート

かつてイギリスでポロ競技の観戦用に作られた厚手のコート。
素材はキャメルヘアが基本で、アルスターカラー、ダブルブレスト六つ釦、バックベルト、フレームドパッチ&フラップポケット、ターンアップカフ等のディテールを特徴とする。

ポンチョ

ポンチョ(poncho)とは南米やペルー、ボリビアなどのアンデス山脈地帯に住むインディオの民族衣装。布の中央に開けた穴に頭を通す貫頭衣式の毛布状外衣。今日ではこの形式のレインコート。
家庭着、海兵着など、広くポンチョとして世界中に愛用され、様々な素材でつくられている。

マキシコート

くるぶし丈のロングコート。
1969年に初めて登場し、従来のコートスタイルに対して革命的な変化を象徴するものとして流行した。

マッキノーズ

18世紀にネイティブアメリカンが着用していた貫頭衣。
19世紀になってカナダやアメリカの五大湖周辺に住む白人開拓者が、これをヒントにしたブランケットの外套を着るようになった。
毛布のような厚手の格子柄の生地を、マッキノーと呼んでいたが、現在はこの生地で作られたショートコートを指す。ダブルブレスト、肩ヨーク、フラップポケット等が特徴。マッキノーはアメリカのミシガン州の地名である。

マトローコート

マトローは仏語の「水夫」の意。船員たちの着ているような、ダブルブレストで肩章付き、金釦使いなどが特徴のコート。

マハラジャコート

マハラジャは「インドの君主」の意で、王様が着るコートを言う。
特徴はネールカラーと呼ばれる立ち衿と細身のシルエット。インドの元首相に由来するネールコートの呼称もある。

マンダリンコート

マンダリンは「中国清朝末期の高級官僚」の意で、そのときの完了が着用した、立ち衿(マオカラー)に広い袖(マンダリンスリーブ)の長い上着。
現在では女性がイブニングドレスの上に羽織るイブニングラップ?にこの形が見られる。

マント

マント(manteau)とはゆったりとした袖なしの外套。日本で言ういわゆるマントのことを指す。
ケープよりは長めで全体にゆったりとした感じが特徴である。フードつきも多く見らる。一般的には袖のあるものも含め、広く外套を指す意味としても用いられる。クロークとも呼ばれる。

ミディコート

ミディコートとはミディレングス(ひざ下15センチくらいの丈)のコートの総称。
ミディはミドルから発想された新語で、ひざ頭とくるぶしの中間を意味している。現在、ファッションの主流とされる丈である。

モッズコート

モッズは、1960年代初めのロンドンに現れた風俗。シャープでこぎれいな印象のある、イギリスの代表的なストリートファッションで、そうした雰囲気をもつコートを言う。イギリスの代表的なデザインをベースにしながらも、くだけたディテールが特徴。

元ネタは1951年米軍に採用されたM-51パーカ。極寒地帯・極寒期にM-51ジャケットの上に重ね着するため標記サイズに比べてワンサイズ大きい。
備え付けのフードと後ろ身頃の先端が尖っており魚のシッポのようにも見えることからフィッシュテールパーカとも呼ばれる。

日本では80年代以降モッズの行動様式を取り入れた若者が現れ、イギリスのモッズに倣い日本のモッズもこのM-51パーカを好んで着用するようになった。
この文脈で、彼らが着用するM-51パーカを通称で呼ぶ場合はモッズパーカという名称で呼ぶことが個人・または雑誌において90年後半ごろまでは通例であった。
モッズパーカは厳密にはM-51パーカを指すが、現在はM-51の後継であるM-65パーカもイギリス・日本のモッズが着用するようになったためM-65パーカもモッズパーカと呼んで差し支えない。

ただし、97年以降、TV・映画の踊る大走査線の影響で認知度が高まりモッズだけが着るだけのものではなくなり、モッズに関心がない者も着用するようになった。
これを受けて、このM-51パーカまたはM-51パーカをモチーフとしたアウターをモッズコートと雑誌などで呼び始めるようになり今日に至る。

90年代後半までの雑誌等ではモッズカルチャーを掲載しそのファッションを紹介する場合はモッズパーカ。
後半以降、カルチャーを紹介せずに、単にその独特の形状のものを紹介する場合はモッズコート。

2000年代以降もモッズカルチャーを取り上げたムック等ではモッズコートとは呼ばず、モッズパーカと呼んでいる。
まるごとモッズがわかる本―Music & culture style magazineエイ出版社 (2004/11)

モーニングコート

男性の昼の正礼装。
上着はピークドラペル、シングルブレストの一つ釦、ウエストに接ぎが入り、前裾は斜めにカットされていて、後ろ身頃のテール部分は膝丈。腰部に二つ釦の付いたセンターベントが付く。
素材は黒のドスキン、カシミアなど。ベストは上着と同素材でシングル前、パンツは黒とグレーの縦縞(コール)が基本。19世紀の乗馬服が起源とされる。

ライディングコート

乗馬用コートのこと。
比較的衿を小さくしたテーラードウェアで、ウエストを絞ってボディーにフィットさせ、やや長めの丈が特徴。後身頃に深いベントがある。ツイードなどで作られることが多い。ライディングジャケットとも言う。

ライナーコート

釦やジッパーでライニングを着脱することが出来るコート。

ラグランコート

ラグランスリーブによるコートの総称。
クリミア戦争時(19世紀)にイギリス軍司令官のラグラン男爵によって考案された防寒着が発端。敵地での寒冷に対処する為、食料用のイモ袋の角を斜めに切って、これを兵士の防寒着に充当したとされている。
衿ぐりから袖ぐりの下までを斜めに切り替え、袖とした形がラグランスリーブの原型で、きわけて機能的なところから、その後レインコート等に多用されるようになった。

ラップコート

ラップは「包む、くるむ」の意で、釦が無くベルトを巻きつけて着用するコートを言う。タイロッケンなどが代表的。

ラバーコート

ゴム製のコートの総称。全体をゴムで作ったものや、ゴム引きの布地を使ったものなどがある。レインコートの防水機能はゴム製素材から始まった。

ランチコート

ランチは「牧場」の意で、そこで働くカウボーイが着る防寒用のコートを言う。
かつては毛のついた羊の一枚革で作られたことから、シアリングコートとも呼ばれた。現在はスエードあるいはコットンスエードを用い、裏にボアを付けたタイプも多く見られる。アメリカのウエスタンスタイルを思わせるショートコート。

ランバーコート

ランバーは「木材」の意。木材切り出し人(ランバージャック)が着ていたのが由来で、マッキノーズの別名である。
ランバージャケット、ランバージャック、ランバージャックコートとも言う。

ランバージャック

ランバージャックとはランバーコートの別称。 lumber jackとつづれば、「材木切り出し人」の意味になる。

リバーシブルコート

リバーシブルは「逆に出来る、反対に出来る」の意で、いわゆる両面コートの総称。
一枚の布地が両面使えるようになったものと、異なる布地を貼り付けたものがある。

リーファーコート

リーファーは「船の帆を扱う海軍士官候補生」の意。
19世紀にイギリス海軍の下士官の制服として採用した防寒用ショートコートで、風向きによって打ち合わせが変えられるようダブルブレストにしたのが特徴。これがブレザーのルーツという説もある。

ルダンゴト

もとは後ろに深いセンターベントの入った男性の乗馬用ロングコートのことで、英語のライディングコート(乗馬コート)がなまって仏語化したと言われる。
18世紀中頃にジュストコール(上着)の上に着るコートとして登場し、20世紀には男女問わず広く着用された。フロックコートはルダンゴトの発展型と考えられる。現在は、ウエストがくびれた裾広がりのシルエットのコートを総称してこう呼ぶ。

レインコート

雨天用コートの総称。
防水や撥水加工を施した素材等で作られる。発祥は19世紀前半のイギリスであるが、この言葉が市民権を得るのは20世紀に入ってから。
現在では、防水機能よりもダスターコート等軽量コートと兼用したものが主流になっている。

レザーコート

皮革製コートの総称。
もともとは防寒や防風のために、農夫や登山家、飛行士等が着用していたが、現在では機能性とともに皮革の素材感がアイテムの幅を広げている。

ローデンコート

オーストリアのチロル地方に見られる伝統的な防寒コート。
もともとは林業などの農夫が着ていたもので、思い切って縮充させた厚手の紡毛織物(ローデンクロス)で作るのが特徴。
デザインは、ウイングショルダーとAラインのように裾に向けて広がったシルエットで、色はグリーンが多い。

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